某探偵社員、宮城へ。2

任務６２ ページ30

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「あ、こっちこっち！」



裏口には谷崎くんが車の前で立っていて、私たちを手招きで呼んでいた。



『今日行くのは私、岩泉さん、松川さん、花巻さんの4人。谷崎くんには、3人を細雪で相手に見えなくしてもらいたいの』






私の作戦はこうだ。




太宰に送ってもらった、及川さん捕らえられているという一之瀬家の構造を見ながら、おそらく地下に監 禁されている及川さんを救助に向かう。




地下には数人の警備と一之瀬チサト本人がいると予想されているため、部員に被害がないように谷崎くんの細雪で姿を消してもらう。




あとは分かるだろう。




ぶっ飛ばす。









「それにしても良かった、ちょうど宮城に来ていたからすぐ来れたよ。」




『タイミングがいいというかなんというか…ありがとう、谷崎くん』




「いえいえ」





「「…」」





潔く着いていくとは言ったものの、矢張り少し怖いのか緊張しているのか一言も話さず自身の手を見つめる3人。




『…ちょっと、大丈夫です？もう少し落ち着いたらどうですか』




「…どうして仲間が拉致られたるのにそんなに冷静でいられるんだよ」




そんな彼らを見兼ねて声をかけたのに、返ってきた言葉は少し冷たい声。




『私の仲間は優秀ですから。それより、私たちが冷静じゃなくてどうするんですか？そんなんじゃ及川さんを助けられませんよ』




「でもっ…！」





反論する岩泉さんの口にそっと人差し指を当て、私は笑った。









『大丈夫です。必ず、助けますから』

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