某探偵社員、宮城へ。2

任務５１ ページ19

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『っ…』


鼻の奥を刺激する生臭い血の匂い。



それは間違いなく、キッチンからするものだった。



『狭川さんっ！』



ドアを勢いよく開け中に入ると、下腹部にナイフが刺さり、大量に血が流れ倒れている狭川が居た。



『誰か！！！！！』



私が叫ぶと、私の声が聞こえた複数の人がキッチンへと走ってくる。



及川さん、岩泉さん、烏野、音駒、梟谷の主将副主将である澤村さん、黒尾さん、赤葦さん。




そしてその中には太宰と国木田くんもいた。




『国木田くん、止血するものを』



「わかった！」




国木田くんに止血するために必要なタオルを頼み、応急処置として自身のジャージを破り、ナイフを引き抜いて圧迫した。




「ちょっと、ナイフを抜くのは危ないんじゃ…！」




及川さんが不安そうに言う。




「君はちょっと黙っていてくれ」




そんな及川さんに辛辣な太宰の言葉。





…今だけちょっと、及川さんに同情した。








ほんのちょっと。

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