某探偵社員、宮城へ。2

任務４７ ページ15

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翌日、事件は起こった。




「狭川さん…！？」




体育館の外にある水道で選手のドリンクを作っている途中、そんな叫び声が聞こえた。



急いで声のした方に駆けつけると、苦しそうに倒れている狭川英玲奈に、青ざめた表情で抱きかかえる雪絵さん、それに群がる選手たち。




『何があったんですか』




「狭川さんが突然、お腹を抑えて倒れちゃって…」




震える声で説明する雪絵さん。




私は、失礼します、といって狭川英玲奈に近付き様態を見る。




じわりと滲み出る汗、上がった呼吸。




おでこに触れれば、熱があることが分かる。




『とりあえず、旅館へ連れて行きましょう』




狭川英玲奈を旅館まで運び、救急用のベッドに寝かせ本人に症状を聞いた。




頭痛、腹痛、倦怠感、発熱。




これだけではなんとも言えないが…




『朝、何か飲んだり食べたりは？』




「練習、が始まる前…冷蔵庫に入っていた水を…」




水？




「Aちゃん、これだよ」





『太宰』





いつの間にか部屋の入り口に立っていた彼は、彼女が飲んだという水を手に持っていた。






…というか今までどこいってたんだ。それに国木田くんもいないし。








まあそんなことはどうでもいい。






『それで太宰、その水は』





「与謝野先生に調べてもらったよ。中にはふぐ毒が微量入っていた」





『自然毒による食中毒…か』




「ついでに薬も貰ってきたよ」





用意周到だな。






苦しむ狭川に薬を飲ませ、心配で見に来ていた他の生徒を部屋から追い出す。






選手、マネージャー、先生達には、食中毒で薬を飲んでしばらく休めば治まると説明し、練習を再開。




その間、マネージャーが交代で狭川英玲奈の看病をすることになった。








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