5日目__(1) ページ8
「よし、着いた。ここが森だ」
目の前にはおどろおどろしい木々が立ち並んでいる、並の人ならば足を踏み入れようとはしないような森があった。
ここまで来るのに前途多難、特にわたくしは初めての野宿をしたのですが、新しい体験はとても新鮮で楽しくて、この森すら神秘的に見えました。
「さ、ギム、プリンセスを降ろしてやってくれるかな」
「はい、マスター。 降りられるかい?よっと」
おぼつかない私を支えてくれたギム様でしたが、心なしかあまりこの旅をよく思っていないのか、気乗りしない表情を浮かべてらっしゃり、不安でした。
「そう心配するな、ギム。 あの男だってお前が嫌いなわけではないと思うぞ」
「分かっています!! ...あいつとはどうも合わないんです」
二人がなにやら不穏な会話をしていましたが、聞かなかったことにして、二人と共に先を急ぐ。
枝をかき分け、ようやくたどり着いたそこには____
「予想よりずいぶん遅かったではないか。
サ____いや、今は王と呼ぶべきか」
そこには、人の形はしているものの、見たこともないようなそれはそれは恐ろしい悪魔がいた。入浴中の。
「きゃッ、ち、近づくな!____悪いが今は入浴中だ」
「見たら分かるよ。今『きゃッ』て言わなかった?」
「言ってない。今あがろうとしたところなのに」
悪魔さまでもお風呂に入られるのですね.....。その悪魔さまがお風呂からあがろうと湯船を出たその瞬間、ギムさまに後ろから両目を隠される。
「あの、ベルゼブブさん?
まだ少女が見てるんだけど。 いやそんな目で見んな俺の事じゃねえよ」
「その少女は____人の子か?
ほう、いいだろう、名乗りくらいはあげてやろう。我輩は.....。」
「人間体なんだからまず服を着たら?」
魔王さまになだめられ、その『ベルゼブブ』なる悪魔さまが、森の奥へと向かう。なるほど、魔族の皆さまには人間体があるのですね。
昔の本でベルゼブブは蝿の王だと聞いたことがありますが、魔物の姿なら.....ああ、失礼ですが少し寒気がしてきました。
そして森の奥から現れた彼は大きく咳払いして、こう名乗りをあげた。
「魔界君主、ベルゼブブ。以後お見知りおきを」
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ファイアー@宝石の国沼(プロフ) - arisunekoさん» 分かりました!更新は遅くなるかもしれませんが必ず登場させたいと思います!ありがとうございます! (2019年6月9日 21時) (レス) id: 58297e2569 (このIDを非表示/違反報告)
arisuneko - ん〜、いつも冷静に物事を見ている的な! (2019年6月9日 20時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
ファイアー@宝石の国沼(プロフ) - arisunekoさん» おお〜〜素敵なキャラをありがとうございます!!実在の魔族しか募集しないつもりでしたが.....素敵です!!性格などの指定はありますか? (2019年6月9日 16時) (レス) id: 58297e2569 (このIDを非表示/違反報告)
arisuneko - 名ガイス 真名ユース=ガイスト 魔族の精霊使いはどうでしょうか!なんとなく作ったキャラです (2019年6月9日 11時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
ファイアー@宝石の国沼(プロフ) - 作者から:登場させてほしい魔族や天使、盗賊などの勇者の仲間は随時受け付けます。みんなの溢れるアイデア募集中!!(創造力の乏しさを補おうとする女) (2019年6月5日 18時) (レス) id: 58297e2569 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ファイアー@橙蛙不二周助の人 | 作成日時:2018年8月22日 20時