姫をさらった魔王が残念【オリジナル】

勇者の冒険~魔王ってどんなやつ？~ ページ22

「魔王って〜〜……どんなやつなんでしょうかね〜〜☆☆」

「言い伝えによりますと、漆黒の羽根や大きな角が生えた恐ろしい姿をしているようですよ」

中ボス前、体力回復の泉で、一行はスパを楽しんでいた。
先程から魔王談義に花が咲いているようす。

「はうう、イケメンだったらどうしましょう〜〜〜♡♡ね、勇者さまっ」

「まっさかあ、魔王がイケメンだなんてラノベじゃないんですし！」

勇者はけらけらと笑う。

「ラノベ？って何ですか、僧侶様〜っ」

「あなたは知らなくてもよい世界ですよ」

僧侶の胃がストレスではち切れるのも、そう遠い未来ではないのかもしれない。
とはいえ、ホーリーエルフたちの行うマッサージはとても快適で、疲れが癒される。

「でもやっぱり気になりますよねー。なんのために姫を誘拐するんでしょう」

「恋の花が咲いちゃった......とか？ はうぅ〜〜〜〜///」

「はぁ....。わたくしは怖くてとても立ち向かえる気がしませんね.....」

「怖くても殺るんですよ、僧侶さん」

「ヒ、ヒエ....」

勇者と魔法使いと僧侶の旅はまだまだ続く......

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