6日目____(3) ページ14
「黙らんか....いつまでたっても子供のままだな、貴様らは」
「まあまあ。
アスティ、報告ありがとう。もう下がりなさい」
「はっ....。
ああ、姫、わらわの事が気になるご様子ですね?」
彼はばさばさっ、と羽をかわいらしく揺らして名乗りあげる。
後で話を聞くに、悪魔や天使、神々は、人の伝承が変われば容姿などもかわるのだそうです。
「わらわは魔界の大公爵、アスティ。悪魔としての名____『真名』はアスタロト。
我が君主ベアル様に仕え、主に伝言係を務めておりますユエ、何卒」
自己紹介を終えた彼は、すぐにまたギムさまとの喧嘩に戻られた。
アスティさまの背中に生えた漆黒の翼は、言い伝えの悪魔のイメージとは少し違って、
どちらかと言えば、天使の羽をそのまま黒い絵の具で塗りつぶしたような雰囲気を持っていました。
悪魔と、堕天使____。
「この子を人里に、か____
ベアル、勇者とは言ってもまだ小さな子供だ、まだ危惧しなくてもいいだろう?
...私は人間と争うために彼女を連れてきた訳ではない」
「子供といえど相手は人の子____いつこの魔界が侵されてもおかしくないのだぞ....!
そんなのんきなことを言っているようで王が務まるものか!!!」
「.......それは、そうだが....。 人間だって我らと同じ、この世界に生きている命だ」
ベアルさまと魔王さまの討論と、仲の悪い二人の悪魔さまの喧嘩が続く中で、
私には確かに聞こえた。頭の中に響き渡った。 幻聴かもしれないけれど____
小さな少年の笑い声と、魔物たちの叫びが....。
「まだ天使風情だった頃の人との記憶が忘れられぬと言うのか?
...では、よいのだな? 明日にでも我々が....お前が死んでもよいのだな.....?」
「....分かったよ」
どこか懐かしい少年の笑顔が、瞼の裏に焼き付く。 これは一体....? 誰かが私に、危険を知らせようと...?
本当に、あの恐ろしい男の子と彼らを戦わせてもよいのでしょうか....?
「彼女をさらったのは私だ。私が全ての責任をとる。
ただ、もう少しだけ待ってくれ。戦争にはまだ早すぎる....。」
私は、どうすれば...あの子は、一体....
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ファイアー@宝石の国沼(プロフ) - arisunekoさん» 分かりました!更新は遅くなるかもしれませんが必ず登場させたいと思います!ありがとうございます! (2019年6月9日 21時) (レス) id: 58297e2569 (このIDを非表示/違反報告)
arisuneko - ん〜、いつも冷静に物事を見ている的な! (2019年6月9日 20時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
ファイアー@宝石の国沼(プロフ) - arisunekoさん» おお〜〜素敵なキャラをありがとうございます!!実在の魔族しか募集しないつもりでしたが.....素敵です!!性格などの指定はありますか? (2019年6月9日 16時) (レス) id: 58297e2569 (このIDを非表示/違反報告)
arisuneko - 名ガイス 真名ユース=ガイスト 魔族の精霊使いはどうでしょうか!なんとなく作ったキャラです (2019年6月9日 11時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
ファイアー@宝石の国沼(プロフ) - 作者から:登場させてほしい魔族や天使、盗賊などの勇者の仲間は随時受け付けます。みんなの溢れるアイデア募集中!!(創造力の乏しさを補おうとする女) (2019年6月5日 18時) (レス) id: 58297e2569 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ファイアー@橙蛙不二周助の人 | 作成日時:2018年8月22日 20時