姫をさらった魔王が残念【オリジナル】

1日目 ページ2

「.....。」

ご機嫌麗しゅう。まだ齢15にも満たぬのに魔王にさらわれた姫ですわ。国はきっと大混乱なのでしょうが.....。今私は運よく豪勢な食事を振る舞っていただいています。魔王さまに。

「あの...これは一体なんですの.....?」

「え.....。食事だけど...き、気に入らなかった?」

「なぜ.....。」

「な、何故って食べないと死んじゃうだろ!?」

魔王さまは周りの装飾品や使い魔の迫力はあろうとも、私たちと変わらない人間のような見た目をしていることに気がつく。何か...思ってた魔王と違う.....。

「あの.....。魔王のおじさま...勇者さまは助けに来てくれるのでしょうか」

「そ、そのことなんだけど.....。もしよかったら勇者が来たときに人質になってほしいなって.....。い、嫌ならいい!すまない!!」

「まだ何も言ってませんわ.....。あの、どうして私をさらったんですの?」

その質問をすると彼が急に押し黙ったので、少し不安になる。もしかして生け贄にされたりしないだろうか。一見優しそうにしているだけで、それは私を安心させるための演技ではないのか.....。

「あ、と、とにかくゆっくりしてて!じゃ、じゃあ私ちょっと仕事してくるから!」

そう言って彼はどこかへ言ってしまった。魔王さまの執事を名乗る人は女性とろくに話したことがないから緊張しているだけだというがいまいち信頼できない。
結局食事にもありつけないままその日は魔王城のふかふかベッドで就寝した。

「勇者さま.....。早く助けてくださいまし.....。わたくしは不安ですわ.....。」


.


「なるほど、わかりました!姫を助けて魔王をぶっ殺せばいいんですね、国王!」

「こら勇者がそういうことを言うな」

「姫を見つけ出したら相手の魔物の国々で祭りをあげましょう!血祭りという名の.....!!」

「ヒェッ.....。」

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