らくがん【宮治】

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侑side



「「ただいまー」」



二人声を揃えて帰宅すると

「おかえりー」


オカンの声がする





今日の晩飯は…

すんすん、と鼻を鳴らして、サムに声をかけた



「なんか懐かしい匂いせえへん？」


「は？ただの肉じゃがやろ。ついに鼻ひん曲がったか」


「なにイラついてんねん」




まぁ、腹減っとるんやろうけど


ついさっきおにぎり食っとったのにな






肉じゃがか…


さっきお麩じゃがの話したばっかやのに



なんちゅうタイミングや



なんて思いながらリビングに入ると、

オカンが得意げに喋り出す


「Aちゃんに肉じゃがのレシピもらってん。

前作ってくれたん美味しかったな〜」



あぁなるほど


せやからあんときの匂いを思い出したんか







え？


「え、オカンAちゃんと連絡とっとるん？」



聞いてみると、当然、みたいな顔をされた



「親戚やしな」


「俺親戚の連絡先誰も持ってへん」



「ええからはよ手洗ってき。食べるで」




サムの返事も一蹴してオカンに急かされるから

とりあえずは飯にすることにした





家族揃って「いただきます」を言うと

みんなまず肉じゃがに手をつける




「やっぱ美味しいな、これ」


「Aちゃんが作ったやつのが美味い」



満足そうなオカンに言うたった


するとすぐにムスッと睨まれる



「あんたのご飯もう作らへんで」


「ごめんて」



隣で肉じゃがを頬張るサムは


どこかいつもより嬉しそうや

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