試験開始3日目 ページ34
遊撃隊への仮隊員の間中は基本的に樋口と行動をする事となる。集団行動というものが昔から苦手なAにとってはなかなかしんどいようで
『まだ3日目…』
樋「何か言いましたか?」
『いえ何も…』
はやく1人になって煙草を吸いたいと物思いに耽っていると、樋口が足を止めたのは遊撃隊が本部として使っている部屋。ガチャリと扉を開くとそこにいたのは3人の人物。そこにいた年老いた老人は樋口の後ろにいる人物をみて驚いたように目を見開く。
樋「揃っていますね、黒蜥蜴。では進行中の任務の進捗を報告して下さい」
黒蜥蜴… ポートマフィアの傘下組織で、凶暴な実働部隊を担う武闘派組。つまりエリート中のエリート集団だ。ちなみにこの部隊の礎を作ったのはAだ。樋口が仕事の話をしようとした瞬間、老人の右側に鎮座する青年がAを指差した。
立「あんた誰だよ」
樋「あぁ…つい3日前に仮入隊した『冲方Aです。よろしくお願い致します』
にこり、と微笑めばふぅんと言いながら近付いてくる青年。もとい立原道造。一応仮とはいえ、今のメンバーを知っておいて損はないと調べていたAは、なるほど此奴は…と心の中で呟く。
立「遊撃隊っつーよりまずマフィアっぽくねぇなアンタ?受付嬢に職務替えしてもらった方がいいんじゃねぇの?」
広「!立原やめろ!!」
たかが一仮隊員相手に焦る広津をみて疑問に思う立原だが、自分より下っ端に絡むのも面倒だと思ったのか舌打ちをし、Aに背中を向ける。それをきっかけに樋口の一言により会議が始まった。簡潔にいうと、以前から目をつけている反組織を未だに捕まえられずにいるらしい。見つけ次第壊滅させろと樋口が指示を出す。
樋「手段はいつも通りあなた方に任せます。それでは」
樋口の一言を皮切りに各々解散をし始め、Aもまた樋口の後を追い去ろうとするが、何を思ったのか立原の前で立ち止まる。
『一つお伺いしてもよろしいでしょうか?』
立「なんだよ」
『立原殿は何か動物を飼っていらっしゃるのですか?』
はぁ?飼ってねぇよ、と言う立原の続く言葉を聞き流すようにずい、と自身の口を立原の左耳へと近付ける。
『犬くさいなお前』
立「…ッッ!!?」
それは一瞬の出来事で、バッと立原が逃げるより先にAは知らぬ間に樋口の後ろへつき動揺する立原を見もせずその場を去っていった。
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なに - 読みやすくて3作品夢中に読んじゃいました!すごく続きが読みたいです!一年前の作品ですがよければかいていただきたい!!! (1月1日 23時) (レス) @page34 id: 609d62ddb9 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ぇ…終わっちゃったんですか・・・?続きかければ書いてください!絶対読みます‼ (2022年7月11日 22時) (レス) @page35 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 無理はなさらずがんばってください!! (2022年3月7日 22時) (レス) @page35 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 頑張って下さい!!更新待ってます (2022年1月22日 13時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 更新頑張って下さい!応援してます! (2022年1月7日 19時) (レス) @page35 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっぽ | 作成日時:2018年1月8日 23時