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試験が始まる前にまさかの入隊拒否をされてしまったA。さすがにそれはまずいと思い、コホンと一つ咳払い。それを合図にまるで人が変わったかのように目付きが変わる。その異変に樋口も感じたのか、体が少し後退ろうとすると…



樋「!………エッ……!?」



先程まであり得ないくらいのぞんざいな態度を取っていた目の前の者が、なんと頭を下げているではないか。



『仮にも上司となる樋口殿相手とは思えぬ態度を取ってしまい、誠に申し訳ございませんでした。慎んで罰は受けさせて頂きます』


樋「ッえ、ちょ!?」


『しかし、いちポートマフィアの構成員たる者、遊撃隊で働けるのを目標に日々努力して参りました。何卒試験をお願い出来ないでしょうか』



僅かに顔を上げたAの真摯な瞳に、樋口は開いた口が塞がらない。先程までいた人物は本当に同一人物だったのか…?悶々と思考回路が疑問と驚き渦巻いていると『樋口殿…?』と先程とは打って変わって、今度は捨て猫のような表情を浮かべるA。もしAのことをよく知る人物が同じ空間にいれば暫く笑いが止まらないであろう。樋口はと言うと、その表情が決め手になったのか生唾を飲み込んだ後、先程のAと同じように小さく咳払いをする。



樋「…わ、わかりました」



たったその同意の一言に、今度は主人に尻尾を振る犬のような表情になる。樋口はというと、悶える心を押し殺しながら少し目線を逸らしつつ「罰は今日中に反省文を書いて私に提出すること、以上です」樋口のその言葉に元気に返事をする。遊撃隊1日目は、隊の主な仕事内容を教えられ、残りは反省文を書くだけで終わった。



樋「では改めて、これからよろしくお願い致します冲方」


『Aとお呼びください。こちらこそよろしくお願い致します樋口殿』


__________



『ッは〜〜つかれた………』



建物外の誰も通らない場所。そこにAはいた。先程の好青年っぷりは一体どこへ行ったのか…その差に我ながら面白かったのかくつくつと喉で笑うAは建物を背もたれにし煙草を取り出して火をつける。ふぅ…と息を吐くと白い煙が宙を舞う。



『そういえば、よくここでサボって掃き掃除してた織田作と駄弁ってたっけ』



ヘビースモーカーなのを理解してからか、煙草を吸う度に心配していたのを思い出す。



『…このまま吸い続けたら、お前に会えるのかな』



その時吸った煙草はいつもより苦く感じた

試験開始3日目→←試験開始1日目 樋口side



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 双黒 , 文スト   
作品ジャンル:アニメ
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なに - 読みやすくて3作品夢中に読んじゃいました!すごく続きが読みたいです!一年前の作品ですがよければかいていただきたい!!! (1月1日 23時) (レス) @page34 id: 609d62ddb9 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ぇ…終わっちゃったんですか・・・?続きかければ書いてください!絶対読みます‼ (2022年7月11日 22時) (レス) @page35 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 無理はなさらずがんばってください!! (2022年3月7日 22時) (レス) @page35 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 頑張って下さい!!更新待ってます (2022年1月22日 13時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 更新頑張って下さい!応援してます! (2022年1月7日 19時) (レス) @page35 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まっぽ | 作成日時:2018年1月8日 23時

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