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広間、渡り廊下、歓談室を抜けた先には広大で天井の高い舞踏室になっているらしい。来るまでに息を止めた兵士の夥しい数を数えるのは途中でやめた。道中、軍服に襟章がある兵士に少々手こずったが、それも異能力の前では雲泥の差で早々にその場を片付ける。大広間の中央、そこにはAを呼び出した張本人が静かに此方を見据えていた。



ジ「貴君が此処に辿り着くまで30分と一寸しか経っていない。流石は死神、幾多もの組織がその能力を欲しがった意味がよく分かる」


『何処も退屈で長くは居なかったけどな』


ジ「其れ程の能力があるのに、退屈だったのか」


『あぁ、毎日世界が酸化して見えた。此処ヨコハマに来るまでは』



初めて自分が異能力者だと知った夜、そして初めて人を殺した同じ日のあの夜から、世界が色褪せたように少しずつ、しかし確実に酸化していくのが目に見えた。あの二人に出逢う前までは。



ジ「なら、乃公の今見えている世界も酸化しているのだろうか」


『それは己に聞いてくれ。でもまぁ、今から知れるんじゃあないか?』



カチャリ、とジイドに銃を向けるA。それは異能力で出したものではなく本物の銃だ。



ジ「絶大な異能力を持ちながらも銃を持っているのか」


『あぁ、もしもの為にな』



一発。手前に引き金を引く。が、それが分かりきっていたように避けるジイド。次にまた、同じように銃で狙って来るがそれをサラリと受け流した。
が、当の本人たちは一向に動いていない。何故ならAが今し方引き金を引いた後の動作は、異能力で見た世界だからだ。教えてくれたのは誰だったか、同じ異能力が同時に発生すると特異点なるものが生まれるらしい。それはなった者にしか分からない世界なのだとか。



ジ「サクノスケの異能力を使ったな。乃公にも貴君と同じものが見えた」


『アンタといい織田作といい、本当厄介な異能力だよこれは』



Aが他の戦闘系の異能力を使わず個体の銃を出した理由は1つしかない。その時点で負けるからだ。何故ならジイドの異能力は未来予知。異能力を発動することもそれに対してする行動も筒抜けになる。



ジ「知っているぞ。貴君はとても素晴らしい能力者だが、欠点がある。それは1つの能力が五分しか発動できない事だ」



その間もお互い異能力を介しての行動予測はやめない。



ジ「そろそろ五分経つぞ、死神」



ジイドが引き金に手をかける。瞬間、まるで時間切れのように其処で映像が途切れた。

真相解明 太宰side→←始まりの終わり



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作品ジャンル:アニメ
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なに - 読みやすくて3作品夢中に読んじゃいました!すごく続きが読みたいです!一年前の作品ですがよければかいていただきたい!!! (1月1日 23時) (レス) @page34 id: 609d62ddb9 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ぇ…終わっちゃったんですか・・・?続きかければ書いてください!絶対読みます‼ (2022年7月11日 22時) (レス) @page35 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 無理はなさらずがんばってください!! (2022年3月7日 22時) (レス) @page35 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 頑張って下さい!!更新待ってます (2022年1月22日 13時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 更新頑張って下さい!応援してます! (2022年1月7日 19時) (レス) @page35 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まっぽ | 作成日時:2018年1月8日 23時

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