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始まりの終わり ページ11

雑木林を抜けた先には、彼岸の狭間を思わせるような古い洋館が建っていた。その洋館を見据えるように立っているのは、黒尽くめの鴉。



『(此処か…)』



ミミックから送られた地図の場所を見つけたAは、徐に懐から薬の入った小瓶を取り出し口に放り込む。薬が体内に入るのを確認しながら前を見据えると、洋館の前に2人の見張り。近くの小屋に狙撃兵が1人。3人のギリギリ死界に入る場所へ移動し、異能力で一丁の狙撃銃を具現化させる。スコープから狙撃兵を見つめるが、一向に気付かない。そして脳天に狙いを定め



『バン』



ダァンッと銃声が響き渡る。その音に反応した2人の見張りが慌てているところに2発撃ち込むと、ものの数秒で3人の骸が完成した。玄関前にいくと、中から騒がしい音が聞こえてくる。その音に少し思考を巡らせた後ス…と目を閉じた。



『異能力、天地明察……【天衣無縫】』



刹那、ドアを開けた瞬間大量の銃弾によって自分の身体が蜂の巣になる未来が見えた。それに納得したようにドア横に避けノックを3回。するとそれを合図にAを抜いたドアだけが銃弾によって蜂の巣になる。数十秒鳴り止まない銃声を横目で眺める。そして一瞬の間をAは見逃さない。また別の異能力で手榴弾を具現化すると、音の出所へと放り投げた。爆音と噴煙が建物内を充満させる。その中を焦る様子もなく、侵入する。噴煙が晴れ始めた室内には、手榴弾から逃れた敵、敵、敵。まだこんなにも生き長らえていたのか、と半ば感心しながらもそれも数分の命だと思うと、少し羨ましくも思えてしまった。



“人は自分を救済する為に生きている。死ぬ間際にそれが判るだろう”



洋館へ来てからこの言葉が頭から離れない。途端、あの包帯無駄遣い装置が眼に浮かぶ。そして芥川に言われた一言。



“Aさんは、太宰さんと似ていますね”



こんな死闘を繰り広げる大舞台で、何故そんな事を今思い出すのかと甚だ疑問に思ったが、そんな思考を繰り広げる隙を敵は与えてくれるワケがない。Aが止まっているのを好機だと思い一斉に銃口がAへと向く。上にいた敵が、目前にある大階段を降りようとするのを合図にAは口を開いた。



『異能力、【金色夜叉】』

.→←一難去って



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作品ジャンル:アニメ
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なに - 読みやすくて3作品夢中に読んじゃいました!すごく続きが読みたいです!一年前の作品ですがよければかいていただきたい!!! (1月1日 23時) (レス) @page34 id: 609d62ddb9 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ぇ…終わっちゃったんですか・・・?続きかければ書いてください!絶対読みます‼ (2022年7月11日 22時) (レス) @page35 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 無理はなさらずがんばってください!! (2022年3月7日 22時) (レス) @page35 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 頑張って下さい!!更新待ってます (2022年1月22日 13時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 更新頑張って下さい!応援してます! (2022年1月7日 19時) (レス) @page35 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まっぽ | 作成日時:2018年1月8日 23時

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