知らない感情 ページ2
太「私とデートをしよう!」
数時間前。煙草の煙で輪っかを作って遊んでいると、突然部屋に訪問してきた太宰が放った一言目。聞いた直後は何言ってんだ此奴と冷めた目で見てしまったが、プリン10個と言われれば仕方ない。生憎そろそろ休憩に入ろうと思っていた所だったAは、いつもの少し大きめの黒外套を羽織り太宰の後を追った。
どうやら明確な目的地があるようで、車出そうかというとそんなに遠くはないと言われた。
太「疲れているなら車でもいいよ。運転は私に任せたまえ」
『任せられるか馬鹿野郎』
死人を出す気か。
時刻は0時を越えてもここヨコハマは爛々と輝いている。Aが運転をし、隣で太宰が指示を出す。あっと言う間に目的地に着いてしまった。
『此処は…』
太「ランドマークタワー。いつ見ても高いよねぇ」
まぁうちも相当高いケド。と付け足すと、すたすたと前を歩いていく太宰。自動ドアが開き時刻的に本来動くはずのないエレベーターがボタンを押すと同時に動き出す。着いた先はヨコハマを一望出来る展望台だった。目の前にはまるで宝石のようにキラキラと輝く街並が広がる。
太「こうやって偶に来るんだ。兄さん来た事は?」
『これが初めてだ』
太「それは良かった。此処に来ると自分がとてもちっぽけな存在に思えてね、何もかもがどうでも良く思えてくるんだ……ねぇ、A兄さん」
『何だ?』
太「兄さんにとって、死とは何だい?」
少しの沈黙が二人を包む。しかし、考える素振りもなく答えたAの答えは
『解放、かな』
太「解放かぁ…何だか兄さんらしいや。それじゃあもし私が解放されたとしたら兄さんはどう思う?」
『一番死から嫌われてる奴がそれを言うか』
軽く受け流したつもりだった。しかし、隣の太宰は未だ此方に目を向けたまま動かない。鳶色の瞳がAを射抜く。太宰が、死ぬ…?そんな未来を考えた事も無かったAは、自分が恐ろしい程の不安感に襲われているのに気付いたのは、太宰に抱き締められた数秒後だった。
太「ごめん、ただ寂しいって言って欲しかっただけなんだ…そんな顔をさせるつもりは無かったのに…」
再度ごめん、と謝る太宰に一体どんな顔をしていたんだと尋ねようとするが声が出ない。初めての感情に心臓が鳴り止まない。
『(この感情は、何という名前なんですか…父さん)』
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文ステ12日大阪公演行ってきました!息するの忘れてました!(2回目)
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なに - 読みやすくて3作品夢中に読んじゃいました!すごく続きが読みたいです!一年前の作品ですがよければかいていただきたい!!! (1月1日 23時) (レス) @page34 id: 609d62ddb9 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ぇ…終わっちゃったんですか・・・?続きかければ書いてください!絶対読みます‼ (2022年7月11日 22時) (レス) @page35 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 無理はなさらずがんばってください!! (2022年3月7日 22時) (レス) @page35 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 頑張って下さい!!更新待ってます (2022年1月22日 13時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 更新頑張って下さい!応援してます! (2022年1月7日 19時) (レス) @page35 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっぽ | 作成日時:2018年1月8日 23時