もう1人のマイキー【東卍】

ハッピーニューイヤー！【前半】 ページ49

『「はー…お腹いっぱい…」』


12月31日。世間は大晦日。ここ佐野家でも早朝から大掃除を行なっていた。何せ広い敷地内。道場は毎年門下生たちが主体となって掃除をしてくれるのだが、それ以外は自分たちでしなければならない。Aもマイキーももちろん乗り気ではなかった。が、もしここで抜けようものならエマの鉄槌が飛んでくることは2人とも痛いほど理解していたので、大人しくエマの指示に従う。そして何よりもここをサボってしまうと年越しそばが食べられない。一年の締めくくりにそんなことがあってはならないと、一生懸命掃除に励む。
そして無事年越しそばを食べることができ、満足しながらこたつで暖を取るAとマイキー。



『やべー眠くなってきた…』


マ「オレも…」


エ「あ！また2人とも食べた後すぐ寝ようとしてる！」




台所からエマのお小言が飛んでくるが、そんな事お構いないしに、気付けば2人して寄り添うようにすやすやと寝息を立てる。もう！おじいちゃんも見てないで何か言ってよ！とエマが祖父に愚痴を言っていると、ピンポーンと玄関のインターホンが家中に響く。はーい！とパタパタとエプロン姿のエマが玄関へ行き、ガラガラと開けばそこにはドラケンと場地。



ド「よおエマ。悪ぃなこんな時間に」



突然のドラケンの登場にわたわたと髪を直しながらううん！とエマが答える。



場「Aいる？」


ド「オレも、マイキーいるか？」


エ「あ〜…いるにはいるんだけど…」



と、歯切れの悪いエマに2人揃って顔を見合わす。とりあえず寒いでしょ？中入って！と促され、大人しくお邪魔します、と室内へと入る。リビングへと通された2人は、エマの歯切れの悪い返事の理由がすぐにわかった。目の前には双子で寄り添いながらこたつで眠るAとマイキー。すやすやと気持ちよさそうに眠る2人に、こりゃしばらく起きねーなと付き合いの長い2人はすぐに察する。それはエマも理解したのか、ごめんねと謝る。



エ「さっきまで起きてたんだけど…も〜2人が来るって分かってるのになんで寝ちゃうかなぁ」


場「ま、コイツらは自分中心で動いてるからな」


ド「あ、そうだ」



何かにピンときたのか、持っていたビニール袋をん、とエマに渡す。頭にはてなを浮かべながら受け取るエマ。



ド「これ、オレと場地から」


エ「えっと…シュークリームとどら焼き…」

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