33話 ページ39
神威が捕獲された母船の牢獄に、高杉がやって来た
茶碗を掻き回す音が響く
「丁か半か…丁か半か…ふふふふふ…」
「半だ」
華陀が茶碗を開ける
「ふはははははは…残念、丁じゃ…」
「ありゃりゃ、今度はアンタが死ぬ番だねぇ。其奴は呪いの博打だよ、負けた奴は必ず不幸になるのさ、俺も負けたんだから間違いない」
にこやかに言う神威
「フッ、殺しても死なねぇ化け物がぬかしやがる」
「わざわざ手当までして生かしてるのは、公開処刑でもして他の連中への見せしめにするためだろ?日取りは何時?」
「三日後だ」
「三日かぁ、俺とアンタどっちが先に死ぬかな?アンタも分かってるんじゃないかい?ここの連中は何奴も此奴も自分の事しか頭にない、どれだけ恩を売っても利用されるだけ利用されて、お払い箱さ」
「確かに、利用するにせよさせるにせよこんな不甲斐ない相棒じゃつまらねぇってモンだ。こんな所に居たら折角生えたその立派な牙も腐り落ちちまうだろうよ」
「アンタは一体、此処に何をしに?」
「テメェと同じだよ、無様に生え残った大層な牙を突き立てる場所を探してぶらりぶらりだ。だが、こんなおんぼろ船じゃどこにも行けやしねェ、どうせ乗るなら、テメェの様な奴の船に乗ってみたかったモンだな。じゃあな、宇宙の喧嘩師さん」
そう言い母船の牢獄から出て行く高杉
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まひろ | 作成日時:2017年10月31日 1時