19話 ページ23
Aside
「…………」
ほんとに寝ちゃってたんだな
時計を見るともう6時、夕ご飯の時間だ
起き上がって椅子から立とうとしたが、ずっと動かしていなかった足が、急に痺れて動けない
「あぁぁぁ、動けないぃぃ」
どうしよう、動こうにも動けない
じっとしていても痺れがまだ治まらない
誰か来ないかな、と思っていたその時
バァンッ!
勢いよくドアが蹴破られた
…こんな事するのはアイツしか居ないはずだ
「A、此処に居るんだろ?」
「…神威、また壊したね」
「あ……そんな事より、何もされてない?」
心配そうに見つめてくる神威
…心配される理由が見つからないんだけど
「何もって言うか、何も無いけど」
「え、なんだ…」
ガクリと肩を落とす神威
何の事かは分からないが、取り敢えず今は助けて欲しい
「ねぇ、今さっきまで此処で寝てて足が痺れて動けないの。助けて欲しいんだけど」
「何してんの…ほら、乗って」
椅子に座っている私に神威は背を向け、おんぶをする体制になった
「え、いつになく素直だね。ありがと」
「煩い、足触るよ」
「それは駄目、ごめん」
ゆっくり広い背中に乗せてくれる神威
…小さい頃はおんなじ背丈だったのに、こんなに男らしくなったんだなぁ
何だか、また置いていかれる気がした
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作者名:まひろ | 作成日時:2017年10月31日 1時