苦労の記録１３７ ページ40
ぴ、ぴ、と無情なタイマーの音が地下に響いた。これは不味いことになってしまった。
潰れたはずの軍事施設の地下通路、タイマー付きの爆弾。これはもう、雪也先輩が首謀者とみていいだろう。しかし、私にこの爆弾を処理する技術は無い。配線が張り巡らさていることから持ち運ぶことも不可能だ。
「……ひとまず連絡」
タイマー付きということは電波が傍受できる空間の可能性が高い。そう予想をつけて携帯を開くと、幸いにも電波は繋がってる。よかった！！とガッツポーズをして真っ先に志賀に電話をする。ワンコールで出た。
「もしもし志賀、」
『雪也が居ない！！』
突然の大声にキーンと耳鳴りがする。どうやら向こうでも動きがあるようで、ますます焦りは募る。
「ごめん、先に報告。雪也先輩の家に繋がってる、潰れたはずの軍事施設の地下通路がまだあった」
『………もしかして昨日Aが残ったのって、』
「うん、それ調べてた。そんで私今そこに居るんだよね。目の前にタイマー付きの爆弾がある。多分これ爆破させんじゃないかな」
『なんでそう、ピンポイントに……！！ 疫病神なんですか……？！』
「殴るぞお前」
手早く状況を知らせると、電話の向こうで志賀の息が荒いことに気付く。どうやら雪也を探しているらしい。闇雲に探しても仕方ない、というか志賀だけで探すのは無理がある。
「芥川は？」
『…………、そういえば今日見てない、です、ね？』
「………………マジで？」
電話口で息を飲む音が聞こえた。
消えた雪也先輩、見かけない芥川。
最悪の組み合わせである、絶対なにかあるじゃん。雪也が失踪するのもマズイが芥川に殺される方がもっとマズイ。金の出処は永遠に分からずじまいだ。
「お、っ……おい志賀！！ 先輩より芥川の方がやばい！ 死ぬ気で雪也先輩を守れ！！」
『分かってますよ！！ ていうかAは今どこにいるんです？！』
「っ、ちょっと待って、携帯のGPS………、んん？！」
通話は繋いだまま、慌てて携帯のGPS機能を起動させる。ブンブンと携帯を振って──意味はないが──loadingの文字が消えた地図を拡大して見た自分の位置に、私は目を見開いた。
『A？分かりましたか？』
「…………もっと不味い事になった」
『……は？』
携帯から目の前の爆弾に顔を向ける。タイマーが正しければ爆破まであと37分。
「この爆弾、鈴蘭学校の下にある」
「─────雪也先輩、最終的には学校諸共自爆する気だ」
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メガネ第2号(プロフ) - かえる。さん» 返信激遅でごめんなさい、更新しました！コメント励みになります、遅筆ですがぜひ最後までお付き合い下さい。 (2022年8月28日 6時) (
レス) id: 652442107f (このIDを非表示/違反報告)
かえる。(プロフ) - やったー！更新してる！(≧▽≦) (2022年5月24日 21時) (レス) @page46 id: 06d9623eb5 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 望務さん» ひい！！嬉しいです。文章少し長くなったりしてうざったいかもしれませんが頑張って書きます！ありがとうございます！ (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 紺さん» 前々から読んでいてくれていたんですね！出戻り嬉しいです、本当にありがとうございます！コメント励みになります、頑張りますね！ (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 小夜子さん» 返信遅くなってごめんなさい！コメントありがとうございます、他の作品も読んでくれているようで凄く嬉しいです！文スト4期公開楽しみに頑張ります！ (2022年5月24日 20時) (レス) @page46 id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メガネ第2号 | 作成日時：2018年7月3日 4時
