手品２０ ページ21
月島と山口の幼馴染コンビは、どうやら土曜の試合まではまだ仮入部という体らしい。凸凹コンビとの公平を図る為にも、本腰を入れて練習に参加する訳ではないようだ。
とはいえ、しばらく様子を見ていればある程度の特徴は掴めてきた。
月島はその身長の高さを生かして、ブロックを得意とするようだ。山口は全体として可もなく不可もなくという感じ。
「背が背だけにやっぱブロック高いな、月島。試合大丈夫かよ、田中」
「何言ってんだ! あんくらいのブロック吹っ飛ばしてやんよ!」
「いやお前じゃなくて……まぁいいか。そういえば、他に入部する１年はいないっぽいし月島達の方にも誰か入んなきゃだよな。誰が入るかってもう決まってんのかね」
「あー、そういやそうだな。大地さんに聞いてみるか」
田中がそう言うので二人で大地さんのところへ行き、声を掛ける。
ドリンクを片手に持ちながら汗を拭っていた大地さんは「どうした?」とこちらを振り向いた。
「土曜の３対３のことで。月島達のチームも一人足りないみたいですけど、誰が出るか決まってるんですか?」
「ああ、そっちは俺が出ようと思ってるよ」
「ええ!? 大地さんスか!?」
「あんな条件出した俺が試合出なかったら感じ悪いだろ? それに、アイツ等がどう仕上げてくるのか実際に見てみたいからな」
不敵に笑う大地さんの顔には期待の色が見て取れた。
「未だにいがみ合ってますよ」とは口が裂けても言えない。
共に練習しているとはいえ影山が日向を度外視している今のままでは、確実に期待外れの不甲斐ない試合になるに違いない。
ブロックの月島とレシーブの大地さん……守備力高そうなチームだなぁ。月島と山口は幼馴染だから息も合ってるし。
田中のパワーと影山の能力があるにしたって、毎回田中にトス上げてれば限界も来る。
露骨に嫌そうな顔をする田中だが、大地さんには何も言えないようだ。
「……ほんとに大丈夫か?」
「だ、大丈夫だって! ……多分」
「頑張れー、田中センパイ」
「お前も協力しろよ!」
「だってお前がまず第一のチームメイトだろ、アイツ等の。大丈夫、どうにかなるって。てか、どうにかしなきゃいけないのは１年の方なんだし、お前が気負っても仕方ないだろ」
「……それもそうだな。にしてもお前、他人事だと思いやがって」
呆れるように言う田中に「試合の結果がどうなろうが俺にとってはどうでもいいことだからな」とは返さず、俺は意地悪く笑ってやった。
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狐猫音。(プロフ) - 今までに見たことがない作風と内容がとても面白いです！これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年2月10日 17時) (
レス) id: 1402817ddd (このIDを非表示/違反報告)
チーズタルト - 続き楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2018年12月30日 20時) (レス) id: 6500d8f78f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音々 | 作成日時：2016年8月14日 20時
