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手品17 ページ18

二人は今日は見学だけだということで、いつも通りの練習が始まる。

特筆することもないそれなりの練習を、それなりに真面目にやって、たまにふざけたりもして。俺の好きな楽しい時間だ。



「奇田。レシーブの時、まだたまに腕振る時あるよ」

「う"〜、分かってる……」



休憩時間。縁下がレシーブ練での欠点を指摘してくれる。

対人の時にあちこち飛ばしてその度に拾ってもらったのが申し訳ない。


基本姿勢の安定がまだ出来ないんだよな。

変なとこにボール飛ばしちゃうし、ちょっと強いボールも大体ホームランだし……ちくしょー、難しいんだよレシーブ。


俺が顔を顰めているからか、縁下は穏やかに笑ってフォローをしてくれる。



「アンダーはまだまだだけど、オーバーは上達したよな」

「手と腕だとやっぱ手の方が慣れてるからな。色々いじったりするし」

「そういや休憩ん時いっつもボールいじってるな」

「手に馴染ませてんだよ、その方が扱いやすいからな。新しい道具とかネタ仕入れた時にある程度使い込んだり練習したりしてからお披露目するのと一緒。その内コイツも小道具にするつもりだし」

「努力家だな、奇田は」

「そうかぁ? やりたいからやってるだけだよ、俺は。やりたくないことはやらない」



「努力」なんていう程素晴らしいことはやってないということを言いたかっただけなのに、縁下はその眠たげな目を細めて「素直じゃないなあ」とでも言いたげに俺を見てくる。

なんとなくきまりが悪くなって手の中のボールを弄び始めると、「奇田ー!」と俺を呼ぶ声が聞こえた。

その方向には何やら手招きをしているスガさんと、傍には1年の二人と田中の姿も見える。



「どうしました?」

「ちょっとさ、月島と並んでみ」



もしや身長の比較だろうか。スガさんに言われるがまま月島の隣に並ぶ。

初めに思った通り月島の方が背が高いようで、「おお〜」と感嘆の声を上げる俺、スガさん、田中。



「やっぱ奇田よりデカいなー。何センチ?」

「ツッキーは188センチですよ! もうすぐ190です!」

「そりゃでかいな〜。俺でも185はあるんだけどな」

「はぁ」



面倒くさいしどうでもいいという気持ちを隠そうともしない反応を返してきた月島。素直か。

田中が明らかに「コイツ気に食わねえ」って顔をしてるので、手を出さないように後ろからガッと首根っこを掴み抑える。どうどう、落ち着け。

月島とは対照的に、山口はにこにこしてて愛想がいい。良い子そうだ。

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狐猫音。(プロフ) - 今までに見たことがない作風と内容がとても面白いです!これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年2月10日 17時) (レス) id: 1402817ddd (このIDを非表示/違反報告)
チーズタルト - 続き楽しみにしてます!頑張ってください!! (2018年12月30日 20時) (レス) id: 6500d8f78f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音々 | 作成日時:2016年8月14日 20時

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