入学式当日【ステファニー・ガーランド】 ページ12
私は今日、珍しく朝からちゃんと登校した。
いや正直休みたかったんだ。休みたかったんだけど、ルーに入学式だからと寮から引っ張り出されたから仕方なく登校することにしたのだ。
「スーテーフー!遅れると困るの!早くするの!!」
ルーがさっきからこんな感じでずっと騒いでいる。
私がこんな時間に呑気に部屋で身支度してるのが悪いのだけど。今はとっくに登校ラッシュの時間帯を過ぎていて、殆どの生徒が教室に着いていることだろう。……どこかの誰かさんが迷ってなければ、ね。
「はいはい、私なら三秒あれば教室に着くから大丈夫だって……貴方こそ急いだ方が良いんじゃないの、おちびさん」
「ちびじゃなーいー!!ルーはルーなの!」
私から見たらちびだ、とか言うのは面倒なことになりそうなのでやめた。
それよりは手を動かすべきだろう。近くにあった櫛を使ってまだ寝癖がついたままの髪をとかし、シュシュでポニーテールにする。この髪型は邪魔にならないし結ぶ時も楽で良い。
「分かった分かった。ほら、おいで。遅れたくないんでしょ、時間停止で行くから」
懐から杖を取りだし、そのついでに濡羽色のローブを羽織る。
白と水色を貴重としたこの制服は、黒のローブとのコントラストがあって目立つ。他の生徒もこんな格好だから別に気にならないけどね。
「ちゃんと送ってくれなきゃステフの教室まで行ってやるの!」
「それはやめてね、貴方の相手面倒だから」
「ステフひどいの!!」
「ほらそういうとこ」
友人であるが故の軽口を叩きながら、無詠唱で杖を振る。それと同時に今まで鳴っていた音という音が止まり、何もかもが動かなくなる。
ほとんど誰も居ない上に音の響かない廊下を、私とルーだけが優雅に歩く。
「貴方はそっちでしょ、ここで別れるね。教室についたら魔術式は解除するから」
「分かったの!いってらっしゃいなのー!」
廊下の先でぶんぶん手を振っているルーに、自分も適当に手を振り返しながら教室に向かった。
入学式当日2【サラ・カーミラ】→←入学式当日【ロスト・アレクテル】
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ヴァ一チャルユ一チュ一バ一甘納豆 - かそってるのでちょっとだけ書きました (2020年12月3日 22時) (レス) id: ea2c38e380 (このIDを非表示/違反報告)
月灯 月奏さルクルNo.2(プロフ) - 更新します (2020年3月12日 15時) (レス) id: 28a617331c (このIDを非表示/違反報告)
流星(るい)(プロフ) - 次の方、ディアと同じ学年(高等部二年生)の方、前の話の口調や名前の変更と更新をお願いします…! (2020年2月2日 20時) (レス) id: 9a3d801151 (このIDを非表示/違反報告)
紅月@aile(プロフ) - ヴァーチャルユーチューバー甘納豆さん» 頑張ってください! (2020年2月2日 15時) (レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァーチャルユーチューバー甘納豆(プロフ) - 更新します (2020年2月2日 14時) (レス) id: 7acbd0d80f (このIDを非表示/違反報告)
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