Necromance35 ページ35
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____ゴリラの何がいけないって云うんだ。
「ったぁ…もう本当に何なんだよアイザック君は…」
藤崎は愛猫のオサムを連れて帰宅。『ゴリラック』と我ながら上手い発言をしたと思えば、脛に激痛。あのゴロツキ最強の豪速蹴りを脛に受けた。
これが所謂『弁慶の泣き所』とやらか。痛過ぎて流石の藤崎も泣きそうになる位。
別れ際には「さっさと帰れ!」と背をげしげし蹴られる始末。
如何してこう、横浜の若者は歳上を敬わないのだろう。
ぼふんと寝台に寝そべる。寝そべった藤崎の脛の上にオサムが乗って来る。
「いだだだそこ痛い痛いですオサムさん!ゴリラにやられた場所ですオサムさん!」
ずっと寝て居なくて、寝そべっただけで眠気が襲って来た。オサム専用の出入口も、今は塞いだから平気だ。安心して、目を閉じた。
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桜色の彼は、夢を見た。昔にあった事を再現した夢だ。
『さくすけ!はいこれ。子供達に使って!』
そう云って藤崎が織田に渡したのは、可愛らしい花柄の封筒。
手紙だろうか?それにしては厚みがある。空に透かして見た織田。それが何か気付いて、ぎょっとした。つい封筒を藤崎に押し返して仕舞う。
『これは…貰えない。気持ちだけ受け取って置く』
金だった。
『いいんだよ、友達だろ?それに…アイザック君も住まわせて貰ってるって聞いたし。彼は俺の、』
そこで藤崎は口を噤んだ。如何やら、織田と暮らす以前のアイザックとも面識があった様だ。
けれどこれを云ってしまえば、目の前の織田との関係が崩れて仕舞うと思った。それ位には、悪い事をアイザックにしてしまった。仕方が無かったとは云え。
『アイザックが如何かしたのか?』
きょとんとして居るも、真っ直ぐな織田の視線。織田に嘘は吐きたくない。『内緒にする事』と『嘘』は全く違う。嘘は、嫌だ、さくすけだけには。
『如何もしないよ!子供が増えて大変だろ?お礼は今度カレー奢ってくれたらいいから!お金何に使ったら善いか判んないし!
ああ!!返されたら女の子に貢いじゃう!!やばいなあ!!俺の為にも貰ってくれないと拙いなぁさくすけ!!』
『わ、わわ、わかっ、判った。必ず倍にして返す』
織田は藤崎の迫力に押され、渋々受け取ったのだった。
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ふと、目が覚めた。目尻から涙が零れて居た。
くしゃっと自分の前髪を掴んで、掠れた声で云う。
「もう…そんな夢、見せないでよ、」
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【要注意人物】
藤崎翔:年齢27歳。身長175cm。体重58kg。彼の詳細を公にすれば、街の均衡が乱れる可能性が大いにある為、詳細は厳重に保管、或いは消去済みである。
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χCielχ(プロフ) - 奏汰さん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです!!!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
奏汰(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。 (2019年7月17日 2時) (レス) id: d623967004 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» だめですねぇ笑笑←藤崎の方がいい匂いするらしいです( ˇωˇ )(煙草臭除けば) (2019年6月26日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - χCielχさん» わーい!いい匂いだ〜!素晴らしいなぁ〜!!みたいな感じで天に召されてくれませんかね、幽霊さんたち。……ダメですか?(´・ω・`) (2019年6月11日 0時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» いい匂いになるだけですね!? (2019年6月2日 10時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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