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それからは、零はこの場にいる『Trickstar』の３人に指示を出した。
明星には、転校生と行動し一般的な感覚を知ることを学ばせ、
北斗には、葵兄弟と共に練習し自由奔放さを学ばせ、
遊木には、自分の武器をさらけ出せるようにさせるため、大神との地獄のような特訓をさせることにした。
『大神くんのあの特訓方法……昔、零ちゃんがつむぎくんにやってたやつだよね？
本当にバンジーなんかで引っ込み思案が治るの？』
特訓を大神や葵兄弟たちに任せ、Aと零は帰ろうとしていた。
その帰りに、校舎の屋上から紐で括られ蹴落とされている遊木が目に入った。
「青葉くんの場合は、ちと失敗じゃったが、遊木くんのようなタイプには効くじゃろう」
遊木の叫び声を背後に、学院を出た零とA。
しばらく黙り込んでいたが、Aが口を開いた。
『ありがとね、私を頼ってくれて。
零ちゃんから連絡もらったとき、すごく嬉しかったよ』
「この革命を成し遂げるにあたって、Aが一番の適任者じゃったからのう。
またおぬしとこうして共にいれること、我輩とて舞い上がっておるよ」
『ほんと、大袈裟だなぁ。
プロデュース以上のことは期待しないでね』
気付けば家の前まで来ており、開けた窓から零れる夕飯の匂いがAの腹の虫を鳴かせる。
「ふむ、今日のおぬしの夕飯はカレーのようじゃのう」
『食べてく？』
「いいや、いきなり押しかけて、家族の団らんを邪魔するのも野暮じゃろうて。
今日のところは大人しく根城に帰るとするわい」
残念そうにそう言う零を見て、クスクスと笑うA。
『ふふ、そのおじいちゃん口調も、段々定着してきたね。
仙人ぽくて好き』
「くくく。そう言うのはおぬしだけじゃよ、変わり者め。
……それじゃあの。おやすみ、A」
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2022年9月1日 21時
