【あんスタ】貴方の愛を求めます【朔間零】 (ページ42)

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「んで、なんでデコ助の姉貴がここにいんだ？」

「準備を整えておると言うたじゃろう。

幸い、この学院はいま動乱の種を抱えておる。廃墟のごとく夢が消え失せたこの学院を覆い尽くし、なお余りある大輪の花が咲こうとしておるのじゃよ。

それが芽吹く瞬間が、我輩たちの待望した好機じゃ。夜になるのを待て、わんこ。

なぁに、必ず陽は沈み夜がやってくる。永遠に絶頂で輝く太陽など、ない。

我輩たち闇の眷属が動くに適した、混沌たる闇夜を待ちわびよう。くっくっく♪」

「あぁん？どういうことだよ、わかる言葉で喋りやがれよ！」

「くくく。おぬしにもすぐにわかる。いまが「嵐の前の静けさ」であることがのう？」

零はそう言って意味深に微笑んだ。

「それよりも、ちと興味があるでのう、噂の転校生とやらの顔を見ようと思っておるのじゃが。

どうにか会合がもてぬかのう？」

「転校生……って、あの女か？アホの明星と一緒にいたやつ？」

『そっか、大神くんはもうその子に会ったのね』

「会ったっつーか……」

大神は言いにくそうに言葉を濁す。

「うむ。葵くんたち、すまんが転校生をつれてきてくれんか。

そやつがどんな人間か、品定めしておきたい。

わんこが非礼を働いたようじゃし、お詫びもせんといかんからのう……？

丁重にな。場合によっては、転校生とやらはこの学院で最も価値のあるお宝じゃ。

失礼があっては困るぞい、剣呑剣呑♪」

零がそう言うと、葵兄弟は元気な返事を残し部室を出ていった。

『ふふ、可愛い後輩ができたんだね』

「羨ましかろう？

さて、わんこや。我輩、これからAとイチャイチャしたいから少し出てってはくれんか？」

「あ？てめぇこんなところで盛ってんじゃねぇぞ！」

『お弁当食べるだけでしょ。

後輩を変にからかわないの』

「零ちゃん叱られちゃった……♡」

Aと接する時の零がいつもと違いすぎて、大神は最早言葉も出なくなってしまった。

それからすぐ、葵兄弟は転校生を連れ部室へと戻ってきた。