【あんスタ】貴方の愛を求めます【朔間零】 (ページ35)

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新学期。

夢ノ咲学院には、今年もたくさんのアイドル志望の生徒が入学してきた。

その中、今年新設された「プロデュース科」に、１人の女生徒が転校してきた。

テストケースとしての入学ということで、今はまだ１人しか生徒はいないようだ。

「＿＿＿＿＿というわけなんじゃ」

『へぇ……それはこれからが楽しみな話だね』

「軽音部」と書かれた表札のある部屋に、１人の男子生徒とスーツを着た若い女が二人きり。

窓の外を眺めながら話をしている２人の目線の先には、ステージ上で何やら殴り合いのパフォーマンスらしきものをしているアイドルたちの姿があった。

『今年もやってるね～、『龍王戦』。

あの挑戦者、零ちゃんのとこの子じゃないの？』

「そのようじゃな。それよりも、ほれ、あそこじゃ」

指をさされた方に視線を向ければ、盛り上がる男子生徒たちの中で１人だけ女生徒がいた。

喧嘩を進んで観戦するような子には到底見えず、どちらかと言えば裁縫などをして静かに過ごすのが好きな感じの女の子だ。

『あの子が「プロデュース科」の……凝り固まった夢ノ咲に刺激を与える起爆剤、か』

「そして、お主がこれから面倒を見ていく後輩じゃ」

女はその女生徒を見つめた後、にっこりと笑みを浮かべ横に立つ男子生徒の顔を見た。

『私、頑張るねっ』

「頼んだぞ、A」