【あんスタ】貴方の愛を求めます【朔間零】 (ページ16)

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天祥院がアイドルユニット『fine』を結成ししばらく経った。

乱凪砂、巴日和の二枚看板を携え、青葉をリーダーに『fine』は確実に力をつけていった。

そして、学院の頂点として崇められていた五奇人たちは今、この学院が廃れ行く諸悪の根源として、生徒たちから不評を買われはじめていた。

「ま～くん♪一緒に帰ろう♪」

「だから「ま～くん」って呼ぶなって。

それに、悪いけど今日はこの後生徒会室に寄らないといけねぇから１人で帰るんだな」

「えー、生徒会の手伝いってだけなのになんでま～くんが仕事押しつけられてんの？

勧誘されたって言ってたけど、まだ正式には入ってないんでしょ？」

Aの弟の衣更真緒と、零の弟とである朔間凛月が廊下でじゃれ合う。

そんな文句を言いながら、真緒を離すまいとしがみつく凛月。

２人は歳こそ１つ離れてはいるが、小学校の頃から仲の良い幼なじみだ。

「重っ、こら離せってっば……って、あれ姉貴か？」

「ん？あ、本当だ。おねえちゃ～ん♪」

昔から体調を崩しがちだった凛月は、ことあるごとに看病に来てくれていたAにとても懐いている。

それはもう、実の姉とまで思う程に。

Aもそんな凛月を弟のように可愛がっており、いつもならどんな小さな声で呼びかけても何食わぬ顔で笑って振り向くA。

だが、凛月の呼びかけにAは一切反応せず、生徒会室の中にいる人物と何やら深刻な顔で話をしているようだった。