【GIANTS】短編集

☆距離［菅野智之］ ページ21

「おっはよ〜、智之！」




菅「おはよう笑」




いつもテンション高く挨拶してくるこいつは
幼馴染のA




家は隣、親同士は高校からの親友
仲良くなるのは必然的なわけで




でも小、中、高と同じだとは笑笑
Aは面白いから楽しいんだけど




ここだけの話僕はAが好きだ
いつから？と聞かれると答えられないけど




何事にも真っ直ぐ向き合い
常に自分の揺るがない意思を持っていて
すごくカッコいい




かと思えば
こうしてあどけない笑顔で
たくさんの話をしてくれてかわいい




とはいえAは幼馴染
すぐ隣を歩いていて
手を伸ばせば触れられるのに
触れられない距離がもどかしい



もし告白しても振られて
気まずくなるのは目に見えてる




それにAはモテる女子の要素を
詰め込んだような人




実際昨日学年トップのイケメンに
告られたとかなんとか




そのくせ一回もOKしないから不思議




「でね、、、智之聞いてる〜？」




菅「ふっ、聞いてるよ笑」




下から覗くのはダメだって(焦




「昨日告白してきた坂上くんね、絶対罰ゲームだよ！影から見てる人いたし、、ま！私ほかに好きな人いるからねー笑笑」




そんなこと言うなよ
まだ僕にも希望あるかななんて
思っちゃうじゃん




それに学年トップの美男美女くらい
みんな見に行くよ笑笑





菅「罰ゲームなのかな？」




「絶対そう！ね、智之は私の好きな人知りたい？」




そう言うAは特に変わりもなく
あ、ちょうちょ！とはしゃいでいた




菅「んー、気にはなるかな？」




「、、、なんで気づかないの？」




僕への返事には不自然なその言葉にAを見ると
いきなり立ち止まる




返す言葉を見つけられずにいると




「どうして気づいてくれないの？私が色々な人の告白にいい返事してないの知ってるでしょ？」




俯いてそう言うAにはいつもの明るさはなくて少し動揺してしまう




震える声で放たれたその言葉に僕は決意する




「A、僕Aのこと好きだよ」




「へへへ、遅いよ。」




いつもの調子に戻ったAは僕の大好きな笑顔で嬉しそうに僕の顔を見る




「これからもおはようって言ってくれる？」




菅「当たり前じゃん笑笑」




これまでと一緒
おはようもおやすみも言ってあげる




ただ一つ変わったことは
こうして手を繋いで歩いていること
触れられる距離にAがいること

支え［石川慎吾］→←花壇2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す