don't love7 ページ8
強引に押し付けられた唇が、私の全てを貪る。
貴「ん…っ…」
慣れない私についばむようなキスを与えるカネキくん。
一挙一動が強引で、優しさなんて感じられなくて目頭が熱くなった。
貴「や、めてっ……」
顔を反らすと、カネキくんはチッと小さく舌を鳴らし私を見下ろした。
カネキ「貴方が悪いんですよ…悪い子には躾が必要ですよね?」
貴「…ごめんなさい…」
仕方ないですね、と不機嫌そうに呟く彼を尻目に安堵を溢す。
カネキ「でも…」
しかし、完全に気を抜いていた私に、ある難題が降りかかる。
カネキ「Aさんからキスしてくれたら……許してあげます」
貴「へっ…!?」
早く早くと急かされるも、頭がついていかない。
カネキ「僕のこと…好きですよね?ならできるはずですよ」
………『好き』?
好きなんかじゃ、ない……だけどそれを言ったら、本気で命の保証がない。
ここはキスをして耐えるしかない。
貴「目…瞑って…」
素直に応じるカネキくんの顔を見つめる。
綺麗に整っているのに、それからは想像ができないほどドス黒い感情を隠し持っている。
チュ、と軽く触れる。
すると、満足したのか優しく私の頭を撫でた。
カネキ「……ご飯、食べようか」
手のひらを返したように変わるカネキくんの態度。
貴「………うん」
もう…貴方が分からない。
_________
カネキ「桃…切ってきたから」
戻ってきたカネキさんの手には、マグカップと綺麗にカットされた桃があった。
貴「あ、ありがとう…」
カネキ「Aさん小食だもんね。あと、牛乳も好きでしょ?ちゃんとあるから」
教えてもない事を当然の如く口にする。
そんなこと、もう慣れてしまった。
貴「うん…牛乳は、小さい頃から大好きでずっと飲んでるの」
それらを受け取って口に含むと
カネキ「あぁ、…だから…」
と何かに納得した様子で視線を下に落とした。
貴「…?」
カネキ「何でもないですよ。じゃぁ、僕はトレーニングに行ってきますね」
いそいそと支度をし始めるカネキくんの背中を見つめる。
…あの小さな背中に、何を背負っているんだろうか。
ドアノブに手をかけた彼に声をかけた。
貴「カネキくん…!」
カネキ「!」
貴「…がんばって…」
恥ずかしくて顔を合わせれなかった私は、小さく呟いた。
カネキ「…うん、がんばる」
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さくら - やば (2019年5月22日 4時) (レス) id: fba2db2f98 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ピエロさんさん» 天使ですか!嬉しいです…寛大な心をお持ちの天使様のために!!!(( (2016年1月24日 8時) (レス) id: 99758c160f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ルカさん» 有難うございます!闇カネキチはツンデレであることを望みますが…ヤンデレもいい!!!!頑張ります! (2016年1月24日 8時) (レス) id: 99758c160f (このIDを非表示/違反報告)
ピエロさん(プロフ) - 駿浬さんの作品とっても、楽しみです!駿浬さんのペースで頑張って下さい(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年1月24日 1時) (レス) id: 2d848995f7 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 闇カネキくんめっちゃ楽しみです!応援しています!!! (2016年1月23日 21時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駿浬 | 作成日時:2015年3月23日 20時