深く不覚、愛して【東京喰種】

don't love16 ページ17

真っ暗。









……目隠し？








貴「……カネキくん……？ねぇ、いるんでしょ？やめて………何するの…」





恐怖で体がガタガタと震えた。






ベッドの上に寝かされ、手錠で拘束された腕は頭上で束ねられている。





一向に返事は返ってこない。





いるのか、いないのかさえ分からない。







ズルリ、




突然聞こえてきたのは、何かが這いずり回る音。





鳥肌が立つ、私が嫌いな音だ。






貴「やだ……！！何を持ってるの……何するの！やめて……っ」






起き上がろうとすると、再びベッドにねじ伏せられた。









カネキ「……これはね、トビズムカデっていうんだ」









ゆっくり、宥めるように喋る。







カネキ「これを僕は耳に入れられたんだ」









考えるだけでゾッとする。






虫なんて大嫌いだ。






気持ち悪い。怖い。









そんなものが近くに………





貴「いやぁぁぁｯ……やめて！！お願い…お願いだからっ……」




ムカデを拒むように足をバタつかせた。





ベッドのスプリング音がムカデと重なって、もう周りが見えない。







きっと、私の耳に入れるつもりなんだ。




やだ、やだ、やだ、やだ！！！









カネキ「落ち着いてよ………ねぇ、今ね…君のスカートが捲れてるんだ」







恥ずかしい。そんな考えさえ、恐怖で書き消された。









カネキ「ここからコレをいれたら………どうなっちゃうんだろうね？」









彼は、笑っている。









貴「や………ｯ…やだぁぁぁぁぁぁぁｯ！！！！！！！」

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