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───真夜中
温いシャワーを浴びていた。そっと鏡に映る自分の身体を見る。
もう傷は殆ど癒えている。これなら明日には人に見せても大丈夫そうね。
水を止め、身体の水を拭き、化粧水を塗った。後は、髪を乾かさなければ。
リビングにあるドライヤーの元へ行こうと、扉を開けて、閉めた。即行閉めた。
じっとその先を睨んでみるが、何の意味もない。
何時までもそうしている訳にもいかずに、意を決して私は扉を開けた。
「ハロー。Aちゃん。」
やめときゃ良かった。
目の前には太宰くん。どういう訳か、あの日から毎日家に来るのだ。それも気がついたら勝手に、だ。
『何時も言ってますよね?勝手に家に入って来
ないで下さい!』
「何時も嫌だと返しているのだよ」
全力で溜息を吐く。溜息を吐けば、幸せが逃げるなんてどこかで聞いたことがある。が、実際は逆でストレス解消になるらしい。
『百歩譲って勝手に家に入って来るのは許して
もいいです。いいですけど...』
目の前の惨状に視線を移した。
部屋の中に散らばっている大量の錠剤。
『お願いですから、人の部屋で自○しないで下
さい』
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作者名:とと | 作成日時:2019年9月10日 19時