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『すいません。何から何までして貰っちゃっ
て。』
「いいのだよ。Aちゃん。」
何故か機嫌の良さそうなお顔ですね。
あの後、ベッドに無理やり入れられた私は、現在手当を受けている。
...ミイラになれそう。
『ミイラになれそうですね。』
「傷だらけだからねぇ。」
そして、会話が続かない。
そっと顔を見上げると、さっきまでの機嫌の良さそうなお顔は、何だか悲しそうだった。
『どうかしました?』
「否...不安にさせてしまったかい?」
『はい?』
「あんな体験をして、目覚めたら1人っていうの
は不安だったかと思ってね」
太宰くんの包帯を巻いてくれている手は、首元にあった。嗚呼、気づかれちゃったかしら
「本当は直ぐに戻ってくるはずだったのだ
よ。しかし、友人に鍵を作って貰うのに思いの
他、時間がかかってしまってね。」
太宰くんの言葉を聞いて、強ばった私を見た太宰くんは、急に焦ったようにおどけてみせた。
『別に、不安に何てなってません。それに、太
宰くんがそんなに気にする事ではありませんか
ら。』
心配そうにしていたり、気を使われたり、優しさに戸惑って突き放すような口調になってしまった。
「そうかい...何時でも頼ってくれて構わない
からね」
私は目を逸らした。恥ずかしかった訳でも、警戒した訳でもない。ただ信じたくなかっただけ
一瞬、太宰くんと___を重ねてしまった事を
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作者名:とと | 作成日時:2019年9月10日 19時