日記:36日目 ページ43
夜久「………泣くなよ」
『…泣いてない……』
夜久「泣いてる」
『……だから、…泣いてなんか…ないもん…』
いつも私が好きって伝えるとき。
夜久さんはちょっぴり苦しそうな顔をしていましたよね。
なんで苦しそうなのかはわからない。
きっと、夜久さんは優しいから私をフるときのことを心配してくれた。
泣くもんか。
そう意気込んでいたけど、ムリだった。
なにが「ごめん」なんですか?
詮索するのはきっと面倒くさいし、しつこい。
でも、私もキチン夜久さん好きだったよ。そのくらい聞いても良いかな?好きな子がいるって彼の口から聞けば、私もしっかり諦められる気がするの。
しかし私が口を開いたよりも早く、夜久さんが口を開いた。
夜久「俺さ、バレーやりにロシア行くんだ」
ロシア。
まったく予想していなかった単語に動揺してしまった。ロシア、って遠いよ。
夜久「でも、Aのことが好きだ」
彼によって次に紡がれた言葉は私をさらに動揺させるモノだった。嬉しいが信じられない。頬はじんわり熱をもっていくが手は少しずつ冷えていく。
そして心の中でいつしかの解が出た。
あぁ、夜久さんは好きでもない子を抱きしめたりしないんだ。そんなことどこかでわかっていたはず。
でも私はそれを疑ってしまった。
それはきっと嫌いになる理由がほしかっただけ。
夜久さんの憂いを帯びた顔を見るたびに、フられることをわかっていたから。
フられて傷つく前に嫌いになりたかっただけ。
夜久「正直、ずっと前から好きだった。けどそれをおまえが知ったら余計苦しいだろって」
そうですね。
両想いだったと知っても夜久さんがロシアに行くから。両想いでも、離ればなれになってしまうから。
どれだけ優しいんですか…。
『__…それならなんで今、言ったんですか?』
夜久「これは行く前にAに伝えたかった」
そして夜久さんは学生カバンを漁った。「あと俺、ズルいから」とつけたして。
それからなにかを差し出された。見てみるとそれはいつしか私がつくったネコのストラップ。少し汚れている。ずっと持っててくれたの?
夜久「それ、貸してやる。だからまた返しにこい」
夜久さんは本当にズルい。
でも、私はそんな夜久さんが大好きでしかたがないのだ。
379人がお気に入り
「ハイキュー」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひーな(株)(プロフ) - 蒼穹@小鳥遊。さん» 前作にまでコメントありがとうございます〜!夜久さんかっこいいですよね!かっこよく見せられるように頑張りましたよ!!推しなんですか?読んでいただけて嬉しいです!! (7月29日 7時) (レス) id: 7ba130fac2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼穹@小鳥遊。 - 夜久さん、イケメン過ぎません?推しの夜久さんをここまで格好よく書いている作品は他にないですよ!続編もとても面白かったです (7月29日 4時) (レス) id: 851e2142d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(株)(プロフ) - ねこねこさん» わ、ありがとうございます!!なんかすみません笑 (2023年5月8日 12時) (レス) id: 5a69352509 (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ(プロフ) - 夜久がこんなにかっこよく書かれてる小説初めて読みました......!!続編も面白かったです!更新頑張って下さい!応援してます♪ (2023年5月5日 13時) (レス) @page48 id: f035b1538a (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(株)(プロフ) - ARyさん» おお!ご閲覧ありがとうございます!夜久さんかっこいいですよね…🥰わかりますよ!コメントありがとうございます! (2023年4月29日 18時) (レス) id: 5a69352509 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひーな | 作成日時:2022年11月25日 20時