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試合が終わると同時に、僕は両親に連れられ病院へと向かった
MRIでの検査を終え、医療スタッフの見立て通りの診断が下された
僕は、毎日治療のためのストレッチと、週に1度の通院をすることとなった
大会が終わってから、僕はバレー部のみんなとは距離を取るようになった
軽い挨拶はするものの、それだけだ
バレー部のみんなと話すことが嫌になった
それは飛雄も同様に、僕はあれ以来飛雄と一言も会話をしなくなった
以前なら毎日一緒に登下校をしていたが
足のこともあり、今は母が車で送り迎えをしてくれているため
会うことも無くなった
そんな僕たちは、あの大会で引退し部活もなく
受験生として学生の本分を思い出さされる
教室にいるクラスメイトたちも受験勉強や行きたい高校の話で賑わっていた
「桜、お前だけだぞ。進路希望調査表提出してないの」
僕は職員室に呼び出され担任から進路について問われる
『・・・行きたい高校とか、思いつかなくて』
僕が目を逸らすと、担任はため息をついた
「進級したばかりの頃、青葉城西か白鳥沢かで迷ってるって話してなかったか?」
『・・・はい』
「せっかく丁度推薦をもらったというのに、断るつもりか?」
『・・・分かりません』
「お前の成績ならどちらも問題なく入学できるはずだ。まぁ、今すぐ決めろと言ってるわけじゃないから、よぉく考えて決めるんだぞ」
『はい、すみません。ありがとうございました』
__僕、バレーやめる
大会の日から、僕は週に2・3度あの試合のあの光景が夢に出てきて上手く眠れないことが増えた
また僕の上げたボールが繋がらないなんて事が起きたらと思うと怖くてたまらない
あの日から
バレーを見るとあの時のことがフラッシュバックして息が上手くできなくなる
推薦を貰ったとしても、今の僕がバレーを続けられるなんて到底思えない
その日の夜
まだガラパゴスだった僕の携帯から着信音が流れた
通話ボタンを押し電話に出る
『もしもし・・・』
〈夜遅くにすまんなA〉
『ううん、大丈夫。まだ勉強で起きてるつもりだったし』
〈ならよかったわ〉
『珍しいね。こんな時間に電話なんて、らしくないよ信介くん』
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ブタ(プロフ) - 金成さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!イラスト検討してみます! (4月2日 12時) (レス) id: 2e5896a6df (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - コメント失礼します。…全然無理にとは言いませんがよければイラスト見せていただけないでしょうか…。ほんと我儘だとは思うんですけど自分も描いてみたく…検討していただけないでしょうか。作品、すごく面白くていつもにこにこで読んでいます。更新頑張ってください。 (4月2日 0時) (レス) id: 84b21786fe (このIDを非表示/違反報告)
ブタ(プロフ) - 空さん» わぁ!!コメントありがとうございます!頑張ります!! (3月29日 17時) (レス) id: cb9064ad86 (このIDを非表示/違反報告)
空 - とてもいい作品です!更新がんばってください!応援しています! (3月29日 14時) (レス) @page6 id: 7db07df1a0 (このIDを非表示/違反報告)
ブタ(プロフ) - コメント返し、下手くそですみません(´・ω・`) (3月27日 21時) (レス) id: ab5ddee3e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブタ | 作成日時:2024年3月22日 23時