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「ん」
僕よりも少し身長の高い飛雄の顔を見る
唇を少し尖らせながら、
さも当然のように僕に手を差し伸べているその手を握る
お互いに手袋をいているから体温が伝わることはなかったが、
ぎゅっと力強く握られている感覚に心がじんわりと温かくなった
飛雄はかっこいいな
本人は何とも思ってないんだろうけど
こうやって、いつの間にか僕を引っ張って助けてくれる
いつか僕も飛雄を助けられるくらい強くなれたらいいな
強く握られている手を握り返す
普段はバレーの話以外抜けていて世話が焼けるけど
こういう時の飛雄はなんだか兄の様に頼もしい
まるで本当の兄弟みたいで
前を歩く飛雄の後ろ姿を見つめながら微笑んだ
飛雄の両親は共働きで帰りが遅い
僕の親は父は言わずもがな帰りが遅く、母は喫茶店の営業日に限り帰りが遅い
だから、両親の帰りが遅い日はいつも飛雄の家で過ごすのが日常になっている
そんな僕らの面倒を見てくれているのが、
飛雄の祖父である一与さんだ
一与さんはママさんバレーのコーチをしており、よく僕と飛雄を体育館に連れて行ってくれた
僕はただ何となく見ていたけど、
隣にいる飛雄はキラキラと目を輝かせていた
普通の家なら祖父の事をさん付けで呼ぶなんて滅多にないだろう
僕だって自分の祖父母はおじいちゃんおばあちゃんと呼んでいる
でも、影山家ではこれが当たり前らしく
飛雄の姉美羽ちゃんも一与さんと呼んでいるため、僕もそれに習って一与さんと呼ぶようにしている
さて、なぜ急に飛雄の家の話をし始めたかというと
『ほら、やろう？宿題あるんでしょう？』
「・・・・・録画見た後でやる」
無事影山家に着いたはいいが、
一向に宿題をやろうとしないバレー馬鹿の前置きが欲しかったからである
『一昨日もバレーした後にするっていって、結局僕の宿題写してたよね？』
「うぬん・・・・」
眉間に皺がよっていく飛雄は
人でも殺めたかと疑いたくなるくらい鋭い眼光をしている
正直怖いので放っておきたいのはやまやまだが
このままでは飛雄の成績が危ぶまれるのと
近くにいる一与さんがあまりにもオロオロしているので
辞めるわけにはいかないのだ
『録画なんだし、後で見られるよ？だから早く終わらせてからにしよう？』
中学校教師を父に持つ僕としては、
勉強できない事は死活問題なのである程度は成績を残している
そのおかげで、飛雄の役に立てる数少ない僕の長所となっている
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ブタ(プロフ) - 金成さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！イラスト検討してみます！ (4月2日 12時) (
レス) id: 2e5896a6df (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - コメント失礼します。…全然無理にとは言いませんがよければイラスト見せていただけないでしょうか…。ほんと我儘だとは思うんですけど自分も描いてみたく…検討していただけないでしょうか。作品、すごく面白くていつもにこにこで読んでいます。更新頑張ってください。 (4月2日 0時) (レス) id: 84b21786fe (このIDを非表示/違反報告)
ブタ(プロフ) - 空さん» わぁ！！コメントありがとうございます！頑張ります！！ (3月29日 17時) (レス) id: cb9064ad86 (このIDを非表示/違反報告)
空 - とてもいい作品です！更新がんばってください！応援しています！ (3月29日 14時) (レス) @page6 id: 7db07df1a0 (このIDを非表示/違反報告)
ブタ(プロフ) - コメント返し、下手くそですみません(´･ω･`) (3月27日 21時) (レス) id: ab5ddee3e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブタ | 作成日時：2024年3月22日 23時
