【HQ】群青コート【男主】

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『なかなか眠れないんだよね。おかげで寝不足なんだよね・・・』


僕は二人に申し訳なさそうに笑って見せる


「それってさ、成長痛ってやつじゃない？」

『え、成長痛？この歳で？この時期に？・・・』


ポカンと口を開けていると国見は手を水平にして見せる


「だってさこの間まで桜、こんくらいだったじゃん？」

「確かに！今じゃ、もうすぐ国見に追いつきそうなくらいだもんな」

『そう言われてみれば、なんか二人やみんなとの目線が近くなった気がする』

「気づいてなかったのかよ！」


通りで最近、食器棚の一番上に置いてあるお皿が届くようになった訳だ

僕は母さん似だから、身長も母さんと同じで低いままだと思ってたけど

どうやら、身長は父さん似みたいだ



背が周りより低いのすごい気にしてたから、正直嬉しい



「なにニヤニヤしてんの？」

「身長伸びてんだから喜んでんだよ。たぶん・・・」

『うん、嬉しい。だってさ、身長伸びた分、出来ること増えるし、それだけ拾えるボールが増えるからさ』



僕は上を見上げてニッコリ笑う



『なに？その顔・・・』



金田一と国見は僕の顔を見てニヤニヤする



「「いやぁ〜」」



「桜はさ、影山のことをよくバレー馬鹿なんていうけど、桜も大概だよね」

『えっ、そんな事絶対ないと思うけど。疲れるのとか嫌だし・・・』

「そう言いつつ、桜はいつも最後まで残って自主練してるよな！」

『だって、みんなの足手纏いになるのは嫌だもん。みんなが頑張ってるのに、僕だけ何もしないわけにはいかないよ』




「「あはははっ！」」



顔を見合わせた二人は大きく笑う



『むっ・・・今度は何の笑い？』


「やっぱり、お前はバレー馬鹿だよ」

「普通、それだけの理由で毎日遅くまで残って練習なんてしない」

『バレー馬鹿って言うのは、飛雄みたいな奴のことを言うんだよ。・・・僕は違う、バレーできなくても生きていけるしねっ！』



僕たちは体育館を片付けて、帰宅の支度を済ませる



『さっ、帰ろうか』

「ほう(おう)、ほれあひあほな(これありがとな)」

「ほいひい(おいしい)・・・」

『どういたしまして』

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