宮侑が真面目に恋をする話。

27.【慈悲】 ページ28

「げぇ！？何もないです！！」

目敏いなぁこの人は…！


「はぁ。練習の後、覚えときよ。」


悪役の捨て台詞ですやん。








━━━━━━━━━━━━━━━


「これが予定表な、明後日の土曜日日曜日は体育館の点検が入るから休みや。ほんで月曜から本入部やな。

今日はなんもせんでええで。急やったからなんも用意できてへんねん。片付けだけ手伝ってな。」

『分かりました。ありがとうございます。』




北さんとAちゃんが得点板の横で今後の予定を話す。北さんが不信感を抱いているのは俺に対してらしい。

「サム！」


とトスを明け渡すと得点が入る。北さんが得点板を捲る。Aちゃんが俺の書いた表を見ながら北さんと話す。

いつも通りの部活にAちゃんがおるだけでやる気が出てくるなぁ。









「侑の調子、ええな。」

『そうなんですか？』

「重いものが取れたみたいな清々しい顔しとる。」

『良かったですねえ。』









━━━━━━━━━━━━━━━


そんなこんなで練習が終わり、片付けも終了し着替えの時間。部室で着替えを済ませて部屋を出ようとすると呼び止められる。

北さんに。


「あんたあの子のこと好きなんか。」

と耳元で囁かれた。慈悲やな…。北さんは普通の声で聞いてくると思ったらデリカシーはあった。


「悪いですか…。部活に恋愛持ち込むのは良くないんすけど、それでも俺、頑張り…」

「もうええ、大丈夫や。それやったら今までの彼女は何でマネージャー誘わんかったんや？」

「鬱陶しいからです！」

「あの子は違ういうことやろ。あんたが言うんやったらそういう事なんやろ。」



北さんが立ち上がり鍵閉めるからはよ帰ろかと話しかける。もう部室には2人しか残ってない。

「あざす！！！」









部室を出るとAちゃんが待っとった。

えっ！俺待ってくれとったん！？健気やなぁ、！！


『あ、侑。ここのルール主語抜けとってよう分からんの。』



あぁ…そういうこと…。



「道長そうやな」



「北さんっ！！！！！」

28.【弁当】→←26.【暗記】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す