宮侑が真面目に恋をする話。

21.【魚】 ページ22

3.4時間目



待ってました！！！ついにこの時間！！！

家庭科！

作ったやつはちゃんとAちゃんにあげる予定。









おもてたんと違うことが起きた。まずいぞ、


「魚にはドコサヘキサエン酸が豊富に含まれてます！今日はアジのフライを作りますよ。」



アジのフライは交換できひん。もっとなんか…カップケーキとか、クッキーとかがよかったんやけど…。




『良かったな、体育の後やからお腹すいとってん。』

「えぇ、俺はカップケーキとかが良かったわ。」

まぁ、俺は好きやで、そういう思考。うん。


班は出席番号順。必然的にAちゃんとは前後になる。



『田中と瀬戸は付け合せのサラダ切ってもらってええかな。魚は私がやる。』

なんやろ…今にも暗殺しますよって感じがするな…。


『侑油入った鍋取ってきてよ。私重いから持てへんし。』








重いからー！持てへんしー！！！まぁ！俺も男の子ですからな！と足早に鍋を取りに行く。









帰ってくると板前がいた。


「あっ、思ったよりガチなんやね…？」

『当たり前やろ、小骨を許すな。魚はこの道6年近くやってんねん。』


あっ水族館とか趣味なんかなぁ〜〜〜！



『喉に刺さったのがトラウマやから魚料理の時だけ自分で作るだけやで』



そうか…。いつかの未来で一緒に水族館行こうな…。




とまぁ、役割的にやることがなく低いシンクに向かって腰を曲げて洗い物をしていく。


『あぁ、食器片付けてくるわ』
「おおきに、あ、でも量多いから手伝うわ。」



まっっって！！！めっちゃ夫婦やない！？！？新婚やんけこんなん！！！！






食器棚が沢山置いてある個室に入る。家庭科室のキッチンの喧騒とは違い静かで少し落ち着いた雰囲気だ。


や、やばい、急に2人きりやん…。とか思いつつも使った包丁とまな板をしまう。ほな戻ろかと思って振り向くと大きなバットを持ったAちゃんがこっちを見とった。


え、なにそれ可愛いな


『届かへんから入れて欲しいねんけど』


え！！！！！！なにそれ！！！！！！可愛いな！！！！！！！！殺されるかと思ったわ！！！！！！



なんて固まっとったらバチが悪いように顔を赤くして『はよせぇ』と急かしてきた。




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「いや〜美味しいし食べやすかったで、小骨なかったから。料理が趣味なん？」

『いや？私は魚の道1本で勝負します。』

「ふっふ、なんやそれ」



せめて味噌汁ぐらい作れるようになってや。

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