宮侑が真面目に恋をする話。

15.【体育】 ページ16

夢主side


「み、美澄、昼飯なに食べるん…？」

どうした、キョドりすぎちゃうか？？？


『サンドイッチやけど…市販の』

朝登校する時にコンビニで買ったサンドイッチ。
玉ねぎが淡路島産。

赤いんだか青いんだかよく分からない顔をした宮。

「あぁ、そう…めっちゃ美味しそうやん…」
『え、それほんまに美味しそうと思っとる？？？』




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「なぁなぁ明日テストやん？サイゼで勉強せぇへん？」

いつもの友人に話しかけられる。この子は出席番号1番の相田京子。成績はあんま良くない。私もそうなんやけどね。



『えぇ·····絶対勉強せぇへんやろ』
「バレた？サイゼの新しいメニュー気になるだけやねん」
『せめてマクドとかスタバやろそこは』








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5時間目の体育。小雨が降り始めたので急遽体育館でバレーをすることになった。

1組と2組やったらバレー部のスタメンが勢揃いだ。

女子はネットを張るだけ張って男子の方を見ていた。
そりゃそうや。私も見ときたいけど、体育は苦手やから内申点が危ない。

私ちゃんとやってますよ！って感じで京子とパスをし合う。

手の形とかも見よう見まねでレシーブをしても変なところへ飛んでいく。




横目で宮の方を見てみる。
クラスメイトの船橋が「すまん！侑！俺下手やねん！！！」と叫びながら投げやりにトスを出す。

ちょっと不機嫌な顔をした後、助走を付けてスパイクを打った。







女子の歓声が上がる。




びっくりした。凄い、めっちゃ綺麗なスパイクやん。



普段あんなキョドってんのに、別人かと思ったやんか。


昼休みの宮を思い出す。

((あぁ、そう…めっちゃ美味しそうやん…))



あん時のお前誰だよ。


ほんまにかっこええ人やったんやな。
思わず魅入る。相手チームには宮治がいるから意地の張り合い合戦が続く。





『かっこええなぁ…』
「…おっとぉ？？お相手はやっぱり宮侑？」


ニヤニヤしながら京子が寄ってくる。

『せや、好きな物に対する熱意が凄い。かっこええわ。』

「…あんたっていつ照れるの…？」







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体育が終わりネットは放課後にバレー部が使うからということで片付けずに済んだ。

「侑君かっこよかったよ！」
「治君お菓子作ってきたんだけどいる？」

出たな差し入れ系女子。私は足早に教室に戻りノートの端をちぎって

〈かっこよかった〉

と一言書いて宮の筆箱に押し込んだ。

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