鎖【月永レオ】【天祥院英智】 (ページ9)

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天祥院家の屋敷は、いつ見ても大きい。
部屋がいくつあるんだってくらいある。トイレも……前住んでいた私の家のリビングより、大きい。どうなってんの。

部屋に入って、制服のブレザーを脱ぎながら、クローゼットを開ける。すると、そこには…

「……なに、これ…？」

オシャレで、今時の女の子が着るような洋服が……五着ほど、ハンガーにかけられていた。
……しかも、コートも。

……なんだこれ、もらっていいの？プレゼントなの？いや、洋服を二着しかもってない(部屋着や制服は除く)私にとってはめちゃくちゃ嬉しいやつだけど……！！ど、どうなってるの…？

そう目の前の状況に混乱していると、後ろから「A」という英智さんの声が聞こえてきた。

「えっ、英智さん…！？入るときは何か一言くださいよ…！」

「何回も呼んだよ？…ところで…どうかな、それ。」

……それ、と言われた目線の先を見る。……洋服？

「……まさか、英智さんが？」

「同じ服ばかりだっただろう？気に入れば、嬉しいな。」

……そう笑顔で返される。
…プレゼント、ってこと…だよね？

「ありがとう、ございます…！」

大事に、します。

そういうと、彼は「うん」と言って……クローゼットから服を一着取り出すと、私に渡してきた。

「…え？」

「着てみてごらんよ、せっかくだし。」

……そう、お得意の笑顔で言われて…私は、逆らえずに「はい」と言ってしまった。