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「つべこべ言わない」
玉森はゆっくり髪を濡らし、丁寧に洗ってくれた。
耳の裏を指が通るのが擽ったくて、ぴくりと肩が揺れてしまう。
「くすぐったい?」
「……っ、ん」
そう言って耳に触れら、小さく声が漏れてしまった。
発 情期は普段より敏感になっているから仕方がないが、恥ずかしくて手の甲で口を押えた。
どう思ったのか分からないが、玉森は何も言わず髪を洗い流していく。
タオルが体に触れ驚いて見ると、玉森が泡立てたタオルで俺の体を洗おうとしている。
「や、体はいいって」
「いいから」
何がいいのか分からないうちに、タオルが皮膚の上を滑る。
「ちょっ、ほんとに」
ぞわぞわする感覚に腕を引こうとすると掴まれ、タオルが肩から背中に回る。
行動の理由が分からなくて混乱していると、はいとタオルを渡された。
「あとは自分で洗って」
急に突き放したように言われ、訳が分からないながらタオルを受け取った。
「今から髪洗うから、そんなとこ座ってたら濡れちゃうよ」
シャワーを持って見下ろす玉森。
俺が今、立てないと分かっているはずなのに急に意地悪なことを言う。
「……立てないから」
意図が分からなくてそのまま言うと、玉森は嬉しそうに口の端を上げる。
「飲みたい?」
「え、……まあ」
よく分からなくて曖昧に答えると、はっきり言ってという。
「……飲みたい……です」
そう言うとにっこり笑って玉森は座り込んだ。
「はい、どーぞ」
差し出される指に顔を近付け少しふやけた、それでも美しい指に歯を立てる。
美味しい、すごく。
腹が空いているからなのかもしれないが、とても美味しく感じた。
吸い過ぎてしまう予感がして離すと、俺の気持ちが分かっているみたいに玉森がもっと吸っていいよと言う。
「大丈夫、また家で吸わせてもらうし」
確かにそうだねって、俺を軽々と立たせる。
玉森が分からなくて、本当に分からなくて……何処か怖かった。
何故そう思ったのか自分でも分からない。
あまりにも意味不明だったのかもしれない。
だから怖くて…………少し気味が悪かった。
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くらげ(プロフ) - aaaさん» aaa様ー!コメントありがとうございます(〃ω〃)甘い2人はまだ先かもしれませんが次の更新からまた大きく物語が変化していきますので少しだけお待ち頂けたら。辛い展開が多く書いている私も鬱々としてくる時がありますがaaa様に本当に助けられています(;ω;) (2020年5月1日 23時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - 前回更新された分の玉が不気味でゾワゾワでまさに何かが歪んでいくような崩れていくような気持ち悪さを感じたのですが、この藤ヶ谷くんの最後の雰囲気はいよいよ確信に触れていくんでしょうか?甘いふたりも見たいのに玉が脅威過ぎてハラハラします展開気になります! (2020年5月1日 0時) (レス) id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - みちゅどんさん» みちゅどん様、初めまして!1番気になる小説なんて嬉しすぎます!(〃ω〃)この先の出来事で関係性がまた変わって来るのでヒヤヒヤ展開が多くなるかもしれませんが今後も楽しんで頂けるよう頑張ります!コメント本当にありがとうございました!沢山力を貰いました(;_;) (2020年4月29日 22時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
みちゅどん(プロフ) - 初めまして!今1番気になる小説です♪FKさんの間で何があったのか、Tさんにも幸せになって欲しいしでもFKには変えられない何かがあると思っているので2人で幸せになって欲しいとも思います!これからも楽しみにしています!頑張ってください♪♪ (2020年4月29日 11時) (レス) id: dc77794694 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - aaaさん» aaa様、初めまして!不安定な雰囲気とゾワゾワ感を今回は出したかったのでそう言って頂けて本当に嬉しいです!しかもいつも更新を楽しみにしてくださっているなんて(;_;)ここから色んな事が起こってきますが引き続き読んで頂けたら嬉しいです。ありがとうございます! (2020年4月26日 21時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらげ | 作成日時:2020年3月7日 0時