第六話 ページ8
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急いで革手袋を取り、左手に着ける
おばさんに見られたか…!?
「こぼしちゃったのかい?砂糖かなこれは…?」
『(バレてない…!)』
「動かないでね。砂糖が辺りに広がっちゃうから」
おばさんがちりとりを取りに向こうへ行った
僕は固まったまま、焦る心臓を撫でる。落ち着け僕、バレてないから大丈夫だよ
『…フゥ…』
僕は異能で触れたものは「なんでも」破壊できる…
もちろん「消滅」も可能だ
僕が今、銃口を向けられることなく「一般人」として生活できているのは
憎くもこの異能のお陰なのだ。
異能特務課の人間…いや、この地球に触れたことによって世界の全ての人間から
_____「僕が異能力者」という記憶、資料を全て消去した。
綺麗さっぱり消えた記憶は僕がまた異能を使わない限り戻らない
だから今、ここで平和に暮らしているのだ
追われる心配も、殺される不安もあの監獄に置いてきた
『…(ここで異能組織と出会って…僕の正体が知られたらまた逆戻りだ…絶対いやだ)』
「はいはい。掃除するよー」
『ありがとうございます…』
おばさんが手際良く掃除を済ませてくれ、バレることもなく仕事を再開した
ここの世界は優しすぎる
『…(とにかくあの男性とは絶対関わらないようにしなければ)』
カラン…
「いらっしゃい」
「ヤァおばちゃん。コーヒーをお願い」
ここへ来る道を変えようか…?
またあそこで会うかもしれない
「ツケはいつ払ってくれるんだい?」
「あははーそのうちね」
数ヶ月もすれば顔も忘れてくれるだろう。
あ、というかあの男性の記憶を消去させてしまえば?
「ねぇねぇ。ここのアルバイト高校生の三日月くんってどれ?」
「ん?鈴ちゃんかい?あそこだよ」
出来るだけここでのバイトはやめたくない
環境もいいし、学校帰りに寄っていける。
「お、やっぱりだ」
「コーヒーそっちに持ってくよ?」
「うん。彼にもお願い」
絶対、武装探偵社の人間には関わらない!
ここ____「うずまき」でのバイトを続ける為に!
「やぁ」
『…え』
頭上から降りかかってきた_____懐かしい声
声をかけられたのだと脳が理解して、顔を向けてしまった
そこには_____
「久し振りだね_____鈴」
『…だ…太宰』
*
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みき - とっても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 8d56403f64 (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - 11話、淳じゃなくて「敦」です。キャラクターについての誤字はもっと気をつけたほうがいいと思います。 (2019年5月21日 15時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - クドい様ですが、敦が淳になってます。 (2019年5月6日 21時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 続きめちゃめちゃ楽しみにしてます! (2019年5月1日 21時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 中島敦が中島淳になってますよー!更新応援しています! (2019年4月26日 21時) (レス) id: 956baee6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水餅 | 作成日時:2019年4月20日 12時