武装探偵社の高校生くん【文スト】

第十話 ページ12

・




「いってらっしゃーい。」

「鈴…と言ったな。帰ってきたら探偵社に来てくれ」

『…わかりました…』



太宰の勝手な行動によって朝から物凄く疲れた

脳が許容量を超えたせいか鉛のように重くのしかかっている

どうやら探偵社のソファで寝ていたらしいのだが、社員は僕の顔を知っているのだろうか



『…本当に今日の教科全部入ってる…』



くたびれたエナメルバックを開いて、確認を取ると綺麗に教科書が入っていた

ご丁寧にも住んでいたアパートの鍵はなく、代わりにその場所には社員寮の鍵




『…ハァ』



その鍵を見て、再度ため息をはいた。




『…トントン拍子に事が運びすぎだろう…？』




アイツには敵わない。






＊




「お、ツッキー！おはよー」

『…ツッキー言うな』

「相変わらず冷たいね！距離も遠いよ！」

『うるさい。少し黙って…』

「おk！こうゆう時は半径１mだぞ！みんな」



僕にいつも挨拶、話しかけて来る、クラスの中心男子がみんなにそう言った

明るい声に反応して周りが返事をしだす。

僕は…正直友達と言えるものはいない。アイツもただ面白がって話しかけてるだけだ

だから嫌い。自分が一番だと思ってる馬鹿だ




『…(今日は数学小テスト)』




今後の計画を立てなくては…

なんとしてでも面倒な事態が起こってしまう前に。

ポートマフィアなんかと遭遇する前に。

僕の正体を知られてしまう前に。




『(一刻も早く武装探偵社から逃げなくては…)』







＊

第十一話→←第九話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す