第九話 ページ11
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『ゔ…』
朝6時
武装探偵社に働き先が変わって、気に入っていた喫茶店でのアルバイトを辞めてから1日
僕はいつも通りの時間に目を覚ました
でも、天井は見慣れないものが張り付いている…工事でもしたのだろうか…?
「おはよう」
『っ!?…あなた…は!』
「昨日ぶりだな。青年」
聞き覚えのある低い声音で飛び起きる
ふかふかしたそれはベッドではなくソファだった
手触りのいいかけ布団が体から落ちる
『…昨日の…人』
そこには先日、猫を預けた着物の男性
なんでここに…というかここはどこなんだ
「私は福沢諭吉。ここ武装探偵社の社長をしている」
『…え』
「太宰きっての要望で君には探偵社に入ってもらうことになった」
『…はぁ…でもなんで僕はここで寝てたんですか…?』
ギリギリ、この男性が実は武装探偵社のトップだということは理解できた
寝起きのはずの脳みそが速い回転で動いてくれたおかげだ
「太宰から聞いた話だが…転んで気絶したとのことだ」
『え、記憶にないです』
「そう言っていたのだが」
『…ハァ…僕、とりあえず帰っていいですか?学校に行かないと』
「安心したまえ。荷物はここにある」
ソファから立ち上がってとりあえず部屋出ようとすると、
すかさず誰かが_____いや、太宰が立ち塞がって来た
『勝手にバックの中見ただろ』
「育ての親なんだからいいんだよ。それにバックは喫茶店に置いてあったし、
今日の用具を準備してあげただけさ。逆に感謝したまえ」
『しない。今は反抗期なんでね』
「そのうちイタイ目にあうよ?」
『早く返して。兎も角一旦家に帰る』
太宰の手から荒々しくエナメルバックを奪って
鈴はドアノブに手をかける。そこで左手に模様が残っていることに気づいた
『…………』
「ああ、社員寮ならすぐそこだよ案内しよう」
『いや、別にいいよ…入るつもりないし』
「え?もう荷物移動させちゃったけど?」
『…………は』
革手袋を左手に装着して、動き加減を確認してる最中に
いきなり太宰から爆弾発言。今なんて言った?
「君が生活に苦しんでいるのが丸わかりなアパートだったから、社員寮に入れたんだ。
荷物が少なかったからダンボール三つで事足りたよ」
『…もう…お前キライ』
「反抗期だからねぇ。キライと言われるのは当たり前なのか」
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みき - とっても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 8d56403f64 (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - 11話、淳じゃなくて「敦」です。キャラクターについての誤字はもっと気をつけたほうがいいと思います。 (2019年5月21日 15時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - クドい様ですが、敦が淳になってます。 (2019年5月6日 21時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 続きめちゃめちゃ楽しみにしてます! (2019年5月1日 21時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 中島敦が中島淳になってますよー!更新応援しています! (2019年4月26日 21時) (レス) id: 956baee6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水餅 | 作成日時:2019年4月20日 12時