灰谷蘭は騙されない【東京卍リベンジャーズ】

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「全く…天竺の姫さんは本当に不器用だな」



頭を撫でる鶴蝶の手があまりにも大きくて



私たちも大人になったのを実感させる





「それが恋してるんだよ。」




こんなの知りたくなかった




『こんなにも辛いなら…恋なんて、知りたくなかった…！』




「だからイザナも教えてくれなかったのかもな。」




「俺も知りたくなかったよ。こんなにも辛いなんて」





彼の言葉に顔を上げる




眉を下げて笑う鶴蝶はいつもと変わらない。





『イザナは私の事駒としか思ってないじゃん。駒が自我を持ったら面倒だからだろ？』



「さぁな…案外、イザナは好きだったのかもな？お前のこと」






『ンなことどうでもいいっての』




どうでもいい。思い出したらまた泣いてしまうから



昔みたいに馬鹿だなって笑う彼はもう居ないんだから






「なァ、A…」


『…ンだよ鶴蝶』




「片想いが1番楽しいって誰かが言ってた」




『…じゃあ私らのは片想いじゃねぇじゃん』






じゃあこの気持ちは一体なんなんだ。




鶴蝶と別れてから



部屋にとじこもる




煙草は捨てた。




煙草似合うなって褒めてくれた灰谷蘭を





思い出して辛くなるから

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