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Aの訃報が届いたのは上京して2年目の冬だった。
見慣れない番号から電話がかかってくる。
不信感と嫌な予感を抱きつつ出てみる。イタ電だったらぶち切ってやる。
「もしもし」
『もしもし、いきなりごめん。私吉田』
吉田瑚春。Aにリマと呼ばれていたやつ。
吉田は嗚咽を堪えようとしつつも漏らしながら、言った。
『A死んじゃったよ』
携帯電話が手から滑り落ちた。ガツンと音がして割れたな、とどこか俯瞰的に考えている自分がいた。
そこからのことはあまり覚えてない。気づけば新幹線に乗って、なんの連絡もなく帰ってきた息子に驚く母親に、喪服と香典用意してとだけ告げた。
スマホの画面はバキバキに割れていた。
事は流れるように進んだ。俺はただ呆然と立ちすくむだけだった。
Aのご両親にお悔やみを申し上げ、香典を渡す。
自分がどこを歩いているかわからない。
「おい、白布大丈夫か?」
声がした先には太一がいた。太一は県内の大学にスポーツ推薦で入っていた。
「あー。うん、大丈夫」
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雪乃(プロフ) - 親の遺伝で大腸にポリープという癌の元があり一年に一回入院するんですが去年胃にもあることがあり平均より多くポリープを取りました。今年も入院するんですが小腸も検査するらしいです。なので病気に関する話は親近感湧きます。今を大切に生きていきます! (3月28日 16時) (レス) id: 92528376bb (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - 完結からだいぶ時間が経ってしまっていますがコメント失礼します、久しぶりにガチ泣きしました。生きてることって幸せだなって改めて思いました。ありがとうございました、! (9月23日 18時) (レス) @page42 id: c2b1544657 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 主人公ちゃんの最期、やはり悲しかったです。当たり前のように幸せを感じているけれど、私もいつか当たり前じゃなくなるかも知れないんですね…一日一日を大事にしようと思いました。命の大切さ、毎日がある幸せを改めて理解できた気がします。ありがとうございます。 (2021年12月7日 1時) (レス) @page42 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
燈華(プロフ) - マジで泣きました(。´Д⊂) (2021年3月29日 16時) (レス) id: 2cebe15e55 (このIDを非表示/違反報告)
ぺふ - 泣きました。毎日大切に生きなきゃなって思いました。ありがとうございます。 (2021年2月21日 23時) (レス) id: 794be20b8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかね | 作成日時:2019年9月6日 2時