15. ページ16
部屋に入って、ただただ考える。
あくまで可能性だ。毎日トレーニングとかしてれば、何とかなるはず。ボールも持ってきてもらって。意地でも間に合わせる。
だって約束したから。春高行くって、先輩と。
スマホを持って廊下に出る。ここなら電話をしてもいい。
とりあえず開いたのは白布賢二郎、と書かれたトークルーム。
こんな状態で、彼を突き放せるほど私は強くなくて。縋っていたいの、何かの光に。希望になるものに。
《もしもし》
『もしもし、あなたの可愛い彼女のAちゃんです』
《知ってます》
と言うとクスクス笑う賢二郎。ごめんね、私。あなたを不幸にさせてしまうかも。
『今日ね、本当は病院だったの。検査してもらったんだけどね、急性骨髄性白血病って言うんだってさ』
《笑えない冗談言うなよ》
まだクスクス笑っている賢二郎。笑っているフリしている賢二郎。
『ほんとだよ。冗談で言わない』
賢二郎が大きく深呼吸してをする音が電話越しに聞こえた。
《治んの?》
『治るよ。治すから、私から絶対離れないで』
自分でも驚くほどに頼りなくて、消え入りそうな声だった。
330人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪乃(プロフ) - 親の遺伝で大腸にポリープという癌の元があり一年に一回入院するんですが去年胃にもあることがあり平均より多くポリープを取りました。今年も入院するんですが小腸も検査するらしいです。なので病気に関する話は親近感湧きます。今を大切に生きていきます! (3月28日 16時) (レス) id: 92528376bb (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - 完結からだいぶ時間が経ってしまっていますがコメント失礼します、久しぶりにガチ泣きしました。生きてることって幸せだなって改めて思いました。ありがとうございました、! (9月23日 18時) (レス) @page42 id: c2b1544657 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 主人公ちゃんの最期、やはり悲しかったです。当たり前のように幸せを感じているけれど、私もいつか当たり前じゃなくなるかも知れないんですね…一日一日を大事にしようと思いました。命の大切さ、毎日がある幸せを改めて理解できた気がします。ありがとうございます。 (2021年12月7日 1時) (レス) @page42 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
燈華(プロフ) - マジで泣きました(。´Д⊂) (2021年3月29日 16時) (レス) id: 2cebe15e55 (このIDを非表示/違反報告)
ぺふ - 泣きました。毎日大切に生きなきゃなって思いました。ありがとうございます。 (2021年2月21日 23時) (レス) id: 794be20b8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あかね | 作成日時:2019年9月6日 2時