【刀剣乱舞】刀剣女士に転生したら顕現した瞬間に推しに殴られて刀突きつけられました。

背に伸し掛るその重みは ページ22

風呂場はかなり広く、露天風呂まであった。

と言っても、私はあまり他の刀に見つかるのは良くないので、室内の風呂しか入らなかったけど。

ふと、鏡に映る私の姿が見えた。

腰まで伸びた長い黒髪に、ぱっちりと大きい目。

すっきりとした鼻筋、雪のように白い肌……

やっぱり、とてつもない美少女。

でも、これはあくまでも「蝮」の顔なんだよね……。

時々聞こえる声は、恐らく蝮のものだ。

彼女の狙いはなんだ？

彼女の人格を表面に出せるなら、そっちの方がよっぽど良い。

ここにいると、どこに居てもなんとなく感じるものがある。

期待だ。

刀剣女士で、霊力持ち。

その私が持つ二つの特異性が、他の刀剣男士からすれば「現状を破壊する唯一の鍵」なのだ。

もちろん、私は蝮としてこの本丸で生きていかなきゃいけない以上、

ブラック本丸なんて勘弁してほしいし、それ以前に刀剣男士たちを救いたい思いも強い。

でも、彼らが私に寄せる期待は、私一人が背負うには、些か重過ぎた。

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