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「・・・僕にスピードの対処は無理なので、お2人はそれを」
「・・・・・・ん?」
「待ってよ、貴方は何もしなくて良い」
不思議そうに僕を見る焉さんと、僕を下がらせようとする花子さん。
だが僕はそれを華麗に無視して、2人と同じ場所に、――――横に並んだ。
「・・・僕にもできることはあります」
そう言うと同時、テケテケが僕に向かってニタリ、笑いかけた。
僕はテケテケが飛び出す瞬間を見極めるために、全神経をテケテケに集中させる。
・・・まさかテケテケに全神経を集中させる時が来るなんて、思ってもみなかった。
気味の悪いその姿を嫌でも見つめなくちゃならない。
あぁ、気分が悪くなる。
「あ”あ”あァァア・・・」
まさに人外、といった声を上げたテケテケ。
僕はさらに集中する。・・・・・・一瞬でもタイミングをミスったら、きっと僕もテケテケに。
新聞の一面を彩ってしまう、と苦笑すれば、横の焉さんもうっすら笑った気がした。
――――そして、ふ___っと。
テケテケは風のように僕と間合いを詰めてきた。
僕の顔の目の前には今、ニタリ笑うテケテケの顔がドアップである。
「――――んふふ、ナッイース」
だがそんな僕とテケテケの間に焉さんの白い手がニュッと入ってきて。
――――ぺたり。
テケテケの額には『封』と書かれたお札が綺麗に貼られた。
・・・・・・テケテケが振り上げようとした鎌は手の中にはなかった。
「ナイスアイディアだね。電気を使って鎌を奪い取るなんてさ」
すげぇすげぇと笑う焉さんの視線の先には、ぷかぷかと宙に浮く鎌。
それには電気が通っていて、その電気は僕に繋がっている。
・・・電気の能力って、実はこういう感じで使うこともできるのだ。
電気を通すものを浮かせたり、操ったり。
この能力を応用できないかと考えたとき、ふとこれを思い付いた。
「・・・なに?私の出番なし? ・・・・・・もう、なによそれ!」
花子さんはぷりぷりと怒っている。
それが学校の怪談の古参とは思えないくらい少女らしく、僕は笑ってしまった。
夜の廃校とは思えない雰囲気に少し戸惑いながら口角を上げていた、その時。
お札を貼られたままぼうっとしていたテケテケが、「はっ」と声を出した。
僕達は思わず身構える。
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総悟13(低浮上)(プロフ) - コメントありがとう!なぜシャレオツに言い換えた(笑)ありがとう!じゃあもっとずっと読んでもらえるよう頑張らなきゃね(笑) (2017年11月5日 18時) (レス) id: 296183b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 真剣に読もうとやって来たらCSSが何かめちゃくちゃオシャレな……じゃなくてシャレオツな事になってて思わずコメントをしてしまいました。魅力的で素晴らしいの一言に尽きる!! (2017年11月5日 18時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:総悟13 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年11月4日 2時