４２歩目 ページ42
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ぺりっ。
アイスの蓋を剥がし、ぱくっと一口。
頭の中では、さっきの光景を思い出していた。
(まぁ、部活同じだし。)
不思議なことでは、ないんだよね
…さくらちゃんはきっと…いやほぼ絶対。
クロのことが好きなんだろうなぁ
「あー、どうしよう。痛い。」
最近やっと自覚できた気持ち。
それと同時に気づいた
こういう感情をクロに向けるのは
私だけじゃないという極々普通のこと。
クロは、モテるし。
よりにもよって、それが可愛い後輩なんて。
胸が、苦しい。痛いよ。
ひ「？…痛い？どうかした？」
あ。
「いや〜、知覚過敏なの忘れてて…アイス歯に思いっきり当たっちゃって(笑)」
笑って誤魔化す。
ごめん、ひーちゃん
そのうち話すから、いまは、まだ。
ひ「え〜大丈夫？そこ忘れちゃだめでしょ！(笑)」
くすくすしてるひーちゃんにホッとする。
夜「(人1)って、たまに抜けてるところあるよなぁ(笑)」
「なにそれー！私、自分じゃ結構しっかりしてると思ってるんですけど？(笑)」
夜「だから、たまにだって(笑)」
もー。なんて言いながらやっくんを小突く。
今はこんな他愛ないやりとりすらありがたい…
ク「なんの話？俺も入れろー。」
笑ってる私たちを見て気になったのか
やっと帰ってきたクロが
自分の席につきながら言う。
ひ「Aが知覚過敏なの忘れてアイス食べて痛がってるから、抜けてるねって話ー(笑)」
今は昼休みだから
ひーちゃんは私の前の空いている席に座ってて。
つまり、今だけ隣の席になってるクロに向かってそう言う。
ク「アホだな(笑)つかお前知覚過敏だったの？俺そんなん聞いたことないけど〜」
なんて言いながら
ちょっと溶けたアイスを食べ始めるクロ。
「うん、最近なったみたい(笑)」
だって、本当は。
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作者名：ゆう
| 作成日時：2016年1月17日 6時
