32歩目 ページ32
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ク「うるせーな。」
いつもより少し低いその声に一瞬びっくりした
やっくんの方に向いてた顔をクロに向ける。
「ごめん、私また声大きかった?気をつけます〜」
へらっといつもの調子で謝る
けど、いつもと違ったのはクロだった。
ク「なにへらへらしてんの。悪いと思ってねーだろ。少し黙れよ」
…え。うそ。本気で怒ってる…?
こんなこと、今まであったっけ。
初めて見るクロの姿に戸惑う
頭は妙に冴えて、冷静だった
指先が冷えてく
夜「っおい、黒尾!そんな言い方しなくてもいいだろ。と言うより別にそこまでうるさくなかったよ?どっちみち、もう少し柔らかく言えって…。」
なぁ?なんて言いながら、私の方を見るやっくん。
庇ってくれてる。でも、大丈夫だよ
悪いのは、私だから。
そう思って、情けない苦笑いを返す
ク「……夜久、そんなやつ庇わなくていいから。こうでも言わなきゃ、いつまでもわかんねーだろ。」
夜「…っ、お前なぁ…!!」
あ。やっくんが怒っちゃう、
「やっくん、ストップ!」
咄嗟に止めたはいいけど
また大声出してどうする。それが原因なのに。
私の、バカ。
「あー、えーっと…その、か、帰るね!私のせいで、空気悪くしちゃってごめんね。クロ…、そんな嫌になるまで直せなくてごめん。今度からちゃんと気をつけるから。」
そう言って、クロの方をまっすぐ見て謝る。
もう、行かなきゃ。
やっくんの方を向いて
声を小さめにして
「やっくん、庇ってくれてありがとう。でも、悪いのは私だから、大丈夫だよ。」ニコッ
ちゃんと笑えたかな
「じゃあ。バイバイ。」
立ち上がって早めに歩く。
あーあ、こんな事になるなら
さっさと帰ればよかったなー、って
ふと、頭を過ぎった
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作者名:ゆう | 作成日時:2016年1月17日 6時