この線、越えるか、消すか。【黒尾鉄朗】 (ページ20)

今日:25 hit、昨日:24 hit、合計:476,819 hit

２０歩目ページ20

.
─黒尾side

寝てたのに。
机だから快適ではないが、寝てたのに

「うわぁっ！びっくりした！って研磨！？どうしたー？」

なんてAの大声が聞こえてきて目が覚めた

なんだ、研磨来てんのか。
つかアイツ、相変わらず声でけー…。
俺に用かなーと思いつつ、体を起こそうとしたとき。

研「…ここじゃ、ちょっと。」

「…よし、ちょっと廊下出よっか！」

その言葉のあと足音がふたつ、遠ざかっていく。

なんだ…？俺に用じゃないのかよ。
研磨がA１人に用事なんて珍しい

顔を置いて枕みたいにしていた腕の隙間から
２人を盗み見る

あんま見えねーけど、ちょっと気になるしな。
俺抜きで話すなんて、悲しいじゃねーか！

なーんてな。

思ってもないことを心の中で呟く

俺、そんなキャラじゃねーよ。(笑)
自嘲気味に自分でツッコむ

もそっ、と寝相を変えるフリして腕を少し動かす

今度はハッキリと見える視界には
顔を赤くしたAと
少し楽しげな、でもどこか苦しそうな
研磨の顔が映った

.